個人ブログを続けていると、誰もが一度はこう思うはずです。
「どう頑張っても、企業が運営しているブログには勝てない…」
検索順位は企業サイトが独占し、AIによる生成も進んでいる。
この状況を見て、「やっぱり、個人ブログはもう衰退の道をたどるしかないんだ」と諦めかけているかもしれません。

けどそれは諦めが速い
もし、企業ブログが絶対に持っていない「致命的な弱点」がいくつもあったとしたら?
そして、その弱点こそが、あなたが個人ブロガーとして戦い、勝つための「最大の武器」になるのだとしたら?
実は、企業という「中央集権的」な組織構造そのものが、ブログというメディアにおいて、個性や創造性を求める今の時代に合わない、いくつもの弱点を抱えているんです。
この記事では、私が考える企業ブログの6つの弱点を徹底的に分析し、個人ブログが復活するためのヒントを掴んでもらおうと思います。
弱点1:コンプライアンス的に求められるため尖ったものを書けない
企業がブログを運営する際に、まず第一に求められるのがコンプライアンス、日本語で言うと法令遵守や社会的な規範を守ることです。
これは当たり前のように聞こえますが、ブログの記事制作においてはとてつもない枷(かせ)になります。
- 株主や顧客の批判を避けたい
- 取引先との関係を悪化させたくない
- ブランドイメージを損ないたくない
- SNSで炎上して社会的な非難を浴びたくない



少なくてもまともな企業には見たことない。
企業は守るべきものが多すぎるため、必然的に記事の内容は「無難」になり、「尖った意見」を排除しなければなりません。
例えば、ある商品について「A社の製品よりB社の製品の方が圧倒的にコスパが良いです!」と正直に書きたいとします。
個人ブログなら即座に書けますが、A社とも取引がある企業ブログでは、表現をぼかし、当たり障りのない表現に修正せざるを得ません。
「尖り」こそが個人の武器
もちろんであるが、個人ブロガーも法律(例えば著作権や名誉毀損など)は守る必要があります。



しかし、炎上による影響の範囲は企業に比べて格段に小さい。
この「影響の小ささ」こそが、個人が自由に、思い切って自分の意見を書けるという最強の特権になるんです。
企業が書けない「忖度のないレビュー」「社会や政治に対する個人的な批判的な視点」「大多数とは違う少数派の体験談」といった「尖ったもの」こそが、読者にとっては「本音」であり、「味の濃い情報」として響きます。
現代の日本社会は、SNSやフードデリバリーなど、便利すぎるがゆえに「味が薄く」なってしまいました。
行き過ぎた便利について


企業ブログの画一的で無難な情報は、まさにこの「薄味」の典型です。
私たちは、あなたの個性が詰まった「濃い味」の文章を求めているのです。
弱点2:人件費がすごくかかる
企業ブログの弱点の中でも、特に「コスト」という観点から見ると、人件費の高さは目を見張るものがあります。



最近は外注で行うケースが多いけど、それも結局雇うのと対して変わらない。



確かに人は切りやすいからいいけど、内部事情とか知らないですもんね…
企業が記事を一本公開するまでには、以下のようなプロセスがあり、全てに「人」が関わります。
- 企画担当:市場調査、キーワード選定
- ライター:執筆
- 編集者:校正、事実確認、レギュレーション(企業内ルール)チェック
- デザイナー/コーダー:画像の作成やブログへの組み込み
- 責任者:最終チェック、公開の承認
つまり、一本の記事に何人もの人件費が積み重なっているんです。
日本は「長時間働くことこそ美徳」とする労働執着文化が根強く残っています。
その結果、一つの作業に多くの人間を関わらせる非効率的なコスト構造**が生まれています。これは、中央集権的な組織だからこそ避けられないコストです。
個人は「節約」と「効率」の化身
一方で、個人ブロガーは全て自分一人です。
かかる費用は、年間数千円〜数万円程度のサーバー代とドメイン代がほとんど。
現在自分が使用しているのは昔から行っているので某大手サーバーですが、今のスペックで個人の場合だと明らかにオーバースペックなので、月500円ぐらいの格安サーバーでも十分。



WEB3ドメインに至ってがドメインを買うだけでおしまい
これは、「モノが多い国である日本」において、消費を増やすのではなく、「いかに節約し、資産を形成するか」という、今の日本人が最も求めている価値観に合致しています。
企業は多額のコストを回収するため、「必ず利益が出るビッグキーワード」で上位表示を目指すしかありません。
その結果、検索エンジン(Google)に過剰に迎合し、個性を失うという悪循環に陥ります。
コストがかからない個人だからこそ、目先の利益に囚われず、「本当に読者に役立つ、個性的な記事」を追求できるのです。
弱点3:実は生成AIと企業ブログは相性が悪い
最近は生成AIが進化し、「AIで企業も個人も記事が書き放題だ!」と思われがちですが



え?たくさん作れるんだし、人もいっぱいいるんだからより企業は優位になるんじゃないの??



それは個人ブログだけの話であって、企業には企業の弱点がAIには足かせになっているんだよ
むしろ実は企業ブログと生成AIの相性は非常に悪いと私は見ています。
確かに、生成AIは生産性向上には強いです。
しかし、今の時代に必要なのは、単なる「記事の量産」ではなく、「創造性」や「ゼロから生み出す力」です。
私の経験上、AIの作業は、結局「一人行動」のほうが圧倒的にやりやすいです。



えええ?そうなの?
なぜなら、企業でAIを導入すると、必ず以下の問題が発生するからです。
- 誰がプロンプト(指示)を出すのか?
- AIの生成した回答が「会社の意図」と合っているのか?
- 承認を得るために、AIの回答をいちいち人間に説明する手間
- 修正や調整が、担当者、編集者、責任者など、複数の人間を介して行われる



もちろんだけど、これは会社によって違うけど複数人で絡むということは間違いない。
企業という組織の中では、AIの速さが、人間の承認プロセスという名の「中央集権的な待ち時間」によって殺されてしまうんです。
結果として、AIが生成した記事は「企業のコンプライアンスに適合するよう」に何度も修正され、最終的に「誰も傷つけない、無個性な薄味の記事」になってしまいます。
個人なら、AIに「私のペルソナ(人格設定)で、こんな尖った意見を盛り込んで!」と指示し、即座に修正・公開できます。
このスピードと個性こそが、企業にはない、個人とAIの最高の相性なんです。
弱点4:体験的なものは絶対にかけない



「ノウハウ」は書けても、「生きた体験」は書けない
企業ブログは、製品の使い方やSEOのテクニックといった「ノウハウ(How-To)」は得意です。
なぜなら、それらは客観的なデータやマニュアルに基づいて書けるからです。
しかし、一方で「体験(Experience)」に基づいた記事は、企業の集合体としては絶対に書けません。



ここは気づいたほうが良い!
- 「このサービスを初めて使ったときの、予想外のトラブルと、それを乗り越えた感動」
- 「商品を買って失敗した理由。なぜなら、私の生活環境に合わなかったからだ」
- 「地方への旅行で出会った、地図にも載っていない小さな店の濃い味」
これらは全て個人の感情、失敗、発見、そして人生観から生まれるものです。
企業が「体験談」のようなものを書こうとしても、それは「お客様の声」や「社員のフリをした無難なレポート」にしかなりません。



誰がそんなものを見ても納得行くかという話。
特に日本は、長い歴史の中で「消費を増やす」よりも「質素に節約し、知恵を絞って生きる」ことを美徳としてきました。
現代においても、モノが増えすぎた今、人々が本当に求めているのは、単なる「モノ」の情報ではなく、「そのモノが自分の人生にどんな変化をもたらすか」という「生きた体験」です。
ノウハウはAIが代替できても、「あなたの生きた体験」だけはAIも企業も代替できません。
これは、個人ブログが勝てる最大のフロンティアです。
弱点5:人がいなくなると成立しなくなる
企業ブログは、その「企業名」という中央集権的な信頼に基づいて成り立っています。
しかし、その信頼を維持し続けるためには、常に「人」が必要です。



ブログで稼ぐとなれば新記事を作るだけじゃなくリライトといったものも重要だからな
コンテンツを企画し、品質を管理し、何かあれば謝罪し、新しい情報を発信し続ける「人」がいなければ、企業ブログはすぐに廃墟と化します。
今の日本は、会社や店が多すぎるように、企業ブログもすでに飽和状態です。
このまま少子高齢化と人手不足が深刻化すると、多くの企業がブログの維持にコストと人材を割けなくなり、コンテンツが古くなり、信頼が落ちていくでしょう。
WEB3が示す「分散」の時代の到来
ここで少し難しい話になるけど、WEB3の概念が参考になります。
企業ブログが中央集権的な「企業名」の信頼に依存しているのに対し、個人ブログは「あなた自身の経験や個性」という分散的な信頼で成立しています。
企業という大きな船は、一たび沈むと全員が沈みますが、個人という小さなボートは、あなた自身が動かし続ける限り、どこまでも航海できます。
人がいなくなると成立しなくなるという弱点は、企業ブログが持つ中央集権的なリスクの裏返しであり、個人が持つ分散的な強みを際立たせています。
弱点6:ニッチなジャンルは見合わない
企業がブログを運営する目的は、最終的に大きな利益を得ることです。
そのため、企業は中央集権的に「多くの人が検索する、大規模な市場」を狙います。いわゆる「ビッグキーワード」です。
しかし、ブログで本当に読者の役に立ち、ファンを作るのは、「ロングテールキーワード」や「客層数が少ない、超ニッチなジャンル」です。
例えば、「最新スマホの選び方」はビッグキーワードですが、「2000年代の古いPCゲームを最新OSで動かす方法」は超ニッチなロングテールキーワードです。
企業にとって、「客層数が少ないキーワード」は、多額の人件費をかけて記事を書くコストに見合わないため、絶対に手を出そうとしません。



そもそも今の企業にはその余裕は果たしてあるだろうか?
創造性はニッチな世界から生まれる
これは、日本が「創造性やゼロから生み出す力がない」と言われる弱点を克服するチャンスでもあります。


創造性は、多くの人が集まる中央の場所からではなく、ニッチで深い、個人の趣味や探求心から生まれます。
個人ブログこそが、そのニッチな領域の専門家であり、企業が見向きもしない「誰も書いていない、本当に役立つ情報」を発掘し、提供することができます。
「ニッチすぎて需要がないかな…」と思ったときこそ、「企業はこの領域に手を出せない」と自信を持ってください。あなたのニッチな情熱は、必ず同じ情熱を持った読者を引き寄せ、強固なコミュニティを形成する力になります。
まとめ:個人ブログは衰退ではない。「企業の限界」が始まったのだ
企業ブログの弱点を見てきました。
これらをまとめると、個人ブログが復活する時代のキーワードは以下の3つになります。
- 分散(WEB3的思考)
- 創造性
- 個性と体験
多くの人が「個人ブログは衰退した」と諦めてしまうのは、企業が持つ一時的な優位性(資本力、SEO力)に目を奪われているからです。
しかし、その優位性の裏には、今の時代に合わない、硬直した組織構造による致命的な弱点が隠れていました。



そもそもサラリーマンや会社(トップダウン)は今の時代いらない存在になってくる
あなたが今日から取るべき行動は、企業ブログと同じ土俵(ビッグキーワード、無難なノウハウ)で戦うのをやめることです。
そして、あなたの個人的な要素、あなたの趣味、あなたの社会に対する不満や提案を、恐れずに記事にしてみてください。
それが、読者が本当に求めている「味の濃いコンテンツ」になるはずです。
諦めるのはまだ早すぎます。
個人の創造性が、企業の中央集権的な壁を打ち破る。
その時代の旗手として、あなたらしいブログを続けていきましょう!