久々に、私が管理者として関わっているプロジェクトである「3DCG Gen2（ジェンツー）」について、大きな進捗と概念の整理ができたので記事にしていきます。
3DCG Gen2はWEB3.0が前提で動作する
3DCG Gen2とは、一言でいえば「次世代の3次元コンピューターグラフィックス技術」の名称です。
最も重要な前提として、このGen2は、既存の中央集権的なインターネット、つまりWEB2ではその性能を完全に発揮できません。
なぜなら、Gen2はWEB3.0（分散型インターネット）の概念をベースに設計されているからです。
ただし、注意しておきたいのは、「WEB3.0そのもの」というより、WEB3.0を支える「分散型インターネットのブロックチェーン技術」が前提になっているということです。
従来のWEB2では、データはGoogleやMetaなどの巨大なサーバーに集中管理されます。
しかし、3DCG Gen2が目指すのは、データやオブジェクトの所有権、そして存在自体が、特定の企業やサーバーに依存しない分散型の環境です。
これにより、Gen2で作成された3DCGモデルは、単なるデータファイルではなく、WEB3.0の世界における「独立した資産」として振る舞うことが可能になります。
3DCG Gen2は分散型3DCGでもある
分散型の概念は、金融やデータの世界だけでなく、当然ながら3DCGの世界にも当てはまっておかしくありません。
私たちは3DCG Gen2を、単なる新しいモデリング技術ではなく、「分散型3DCG」と定義しています。
第1世代（Gen1）との決定的な違い
従来の第1世代の3DCG（Gen1）は、UnityやBlender、Mayaなどのソフトウェアを「インストールし、起動する」という前提で動作します。
つまり、モデルやテクスチャは、PC内のローカルストレージや、特定のクラウドサーバーに保存され、ソフトウェアの起動環境に依存していました。
しかし、第2世代（Gen2）は違います。
これら従来のソフトウェアを使わず、モデル自体が「単独で動き回る」ことを想定した分散型の3DCGです。
イメージとしては、Gen1のモデルが「ただのオブジェクト」であるのに対し、Gen2のモデルは、まるで「生き物のようにどこにでも動かすことができる生物」に近い存在です。
それは、インターネットの世界がある限り、どのメタバース空間でも、どのWEBサイト上でも、独立して存在し続けることが可能になります。
再現から実現へ
3DCG Gen2がピンポイントで目指すのは「実現」という概念です。
第1世代（Gen1）の3DCGは、主に「再現」が主でした。
現実世界にある物体をゲームや映像作品の中で再現すること（例：実写のような風景、リアルなキャラクターの動きなど）がメインの目的でした。
しかし、第2世代（Gen2）のメインの舞台はメタバースです。
メタバースが単なるゲームやSNSの延長ではなく、私たちの「もう一つの現実」になることを想定すれば、目標とすべきは、現実世界ではできないことを仮想世界では実現することです。
例えば、物理法則を無視した空間をデザインしたり、ユーザーの感情に合わせて姿を変えるアバターを創ったり。
これらは、固定的なプログラミングで「再現」するのではなく、分散された環境の中でリアルタイムに「実現」され続けることを目指します。
ゲームソフトという固定な括りは通用しない
3DCG Gen2は、インターネットの世界がある限り、場所を選ばずにどこでも使えることを想定しています。
そのため、Gen1が主戦場としていた「ゲームソフト」という限られた、固定的な世界（特定のプラットフォームやOSに依存する世界）では、その真価を発揮できません。
Gen2は、ゲーム内だけでなく、ショッピングサイトの試着シミュレーション、教育用のシミュレーター、あるいは自分のブログのキャラクターとしても、シームレスに存在します。
これは、日本の歴史観で見れば、中央集権的だった明治維新以降の「国がすべてを決める」という体制から、WEB3.0による「個人のデータと資産の分散所有」という、明治以前の分散的な国づくりへの回帰を思わせるかもしれません。
中央集権的なプラットフォームの制約から解放されることが、Gen2の存在意義なのです。
3DCG Gen2における新たな単語も少し言及
3DCG Gen2を設計するにあたり、従来の「メッシュ」や「テクスチャ」といった概念とは異なる、新しい概念が必要になります。
Gen2の基盤となるのは、粒端子（りゅうたんし）やボクセルといった、より細かく分散可能なデジタル要素が前提になります。
この過程で、独自の新しい概念や用語も生まれています。
この辺りはまた個別に深掘りした記事を公開しますが、今回は一部をご紹介します。
| 新概念（オリジナル言語） | 簡単な補足（TITANのイメージ） |
| 変化のプログラミング | 3DCGの中に内蔵していると言われる無性の機能、モノの価値や色の変化、資産価値などあらゆるものを24時間動かしてくれる |
|---|---|
| 機能ペイント | モデルの形を作るだけでなく、その形状に「機能」（例：触れると跳ねる、光を吸収するなど）を塗り込む技術。 |
| Functional ID (FID) | 機能ペイントにおけるID番号 そのモデルが持つ固有の機能や特性を定義する、分散型台帳上の識別子。 |
| バーチャルAIコア | 3DCGモデル内に埋め込まれた、そのモデルの独立した意思決定や学習を司るAIエンジン。 |
| バーチャルストレージ | バーチャルコンピューターやカメラ、スマホなどにおいてデータとして保管するために必要なもの、現実でも必要だがそれとは別で購入する必要がある 現実と異なり破損する要素はないが、代わりに使用すると復活しないという使い捨ての特徴がある またストレージの単位もGBやMBといったコンピューター独自なものではなくブロック製を採用する ストレージの金額は使用する出費や顧客相手によって異なる。 |
| 設計図「3DCG Gen2用」 | Gen2モデルを作成するための、通常の3DCADとは異なるオフライン用の特殊な仕様書。これ自体は機能がない。 |
| 暗号現物資産「3DCG Gen2用」 | Gen2モデル自体を、価値を持つデジタル資産（NFTのようなもの）として定義し、取引可能にするための仕組み。 いちおう技術上、ビットコインを仮想世界の中で通貨として可視化されたものと考えたものと思って良い。 |
これらは、Gen2を単なる「見た目のデータ」ではなく、「独立した機能と資産を持つ生命体」として扱うために必要な概念です。
TITAN「ちょっと難しい言葉が並んだけど、要はこういうことだよ。従来の3DCGモデルは『PCのフォルダに保存された写真』だとしたら、3DCG Gen2は『パスポートと銀行口座を持った自立した人間』みたいなものだ。
場所を選ばず、自分の意思で行動し、価値を持っているってこと。この新しい概念こそが、WEB3.0の世界で真に活躍する可視化された資産なんだ。」
まとめ
3DCG Gen2は、単なるグラフィック技術の進化ではなく、WEB3.0の分散型インターネットを可視化し、具現化するための思想そのものです。
Gen2が目指すのは、「再現」の完成度を高めることではなく、メタバースの世界で「現実では不可能なことの実現」を可能にすること。
そして、その実現は、ゲームソフトという固定の枠組みを超え、分散型のインターネット空間全体でシームレスに展開されます。
