最近のゲームエンジンは、UnityやUnreal Engine 5(UE5)に代表されるように、非常に多機能で万能。
けどその「なんでもできる」が、かえって様々な問題を引き起こしているのではないでしょうか。

ゲーム制作者が利用者より利益ばっか追求もあるけど、でも今回もう1つそもそもの根本なのがあったりする。
それは巨大なゲームエンジンにおける機能の肥大化が最大の要因だと。
なので僕は、これからの時代、ゲームエンジンはより特定の用途に特化していくと予測しています。
今の主流なゲームエンジンにおける問題点



今のゲームエンジンは個人でも作れるようになっていて十分に良い気がするけど
現在のゲームエンジンは、開発者にとって非常に便利である反面、いくつかの大きな問題を抱えています。
1. ゲームエンジンの機能が多すぎる



まずそもそも触ってみて思ったんだけど…多すぎるよ…
最近のゲームエンジンはあらゆるところに力を入れているため使用する場面が増えてきています。
例えばUnityやUE5といった主流のゲームエンジンは、ゲームだけでなく、映画、アニメ、VTuber、さらにはメタバース開発まで、あらゆる用途に使えるように進化しました。
けどその反面それらの機能が肥大化し、ソフトウェアが非常に重くなっています。



もう100GBも超えるからびっくりだよ(汗)
これは、初心者にとって大きな壁で、機能が多すぎて、どこから手をつけていいのか分からず、学習のハードルが非常に高くなっています。
加えると画質自体はもうあまり上がっていません。
近年はゲームエンジンは最適化して軽量化はしているけど、根本的なデータ量が多いのは変わりないのでハイエンドゲーミングPCが必要であることには変わりない。



しかもRTX 4090でも足りなくなり、NVIDIA RTXを使うという人がいるんだよね。どういうこと!?
つまりVRAMの使用量がかなり多いです。
RTX 4090や5090とかはVRAM24GBもしくは32GB、NVIDIA RTXだとRTX Pro6000で96GBもあるので一目瞭然。
価格も前者は30~50万円、後者は140万円前後。
もともとこれらのエンジンは法人が使うつもりで想定しているのもあるですが、今の状況(利益追求の限界、個人開発増加)になると個人に最適化を求めていく必要が出てきています。



同様にAdobeやMicrosoft Officeとかも法人を想定しているか機能が多い
なのでなんでもできる機能が多いソフトというのは今の時代にはあってないです。
なぜゲームエンジンが機能が多すぎるかは気になるようなヒントになるような記事があったのでそれをまた別の話で
2. メタバースには専用エンジンが必要ではないか?
ゲームとメタバースはそれぞれ別々の用途に使い分けたほうが良いと私は思っています。
メタバースがなかなか普及しない理由の一つの根本に、「ゲームベースのメタバースに偏っているのでは?」ことがあると僕は考えています。
ゲームは、明確なゴールやルールがありますが、メタバースはそうではありません。



マイクラ以上に自由があると言って良い。
メタバースは、プレイヤーが自由に探索し、創造する「広がった空間」です。
ゲームは主にプレイをして楽しむためプレイヤーが主役である一方で、メタバースは作るほうの作者側が主役という特徴があります。
なのでいってしまうとメタバースはビジネスにあまりささりません。
なぜかといえば楽しむ場面が違いすぎる。いわゆる主人公の立ち位置が逆。



つまり利用者側からすればあまり大きなメリットがない。
現在物人気ロブロックスやフォートナイトもメタバースの一種であるものの、でもこれらはゲームというメインコンテンツであってメタバースが主役じゃない。
メタバースを主軸にするためにはそれを商品にすること自体が実は相性が悪い。
なので私自身はゲームエンジンとメタバース用のエンジンは完全に別々のほうがいいなぁとは思う。
3. ほとんどのゲームは特定の用途に特化されている
ゲームのジャンルは様々ですが、ほとんどのゲームは、特定の体験に特化しています。
- eスポーツタイトル(APEX、VALORANTなど):高リフレッシュレートでの滑らかな映像が重要。
- オープンワールドRPG(原神など):広大な世界を美しく見せるための大型画面対応と中身のコンテンツストーリー重視。
しかし、今のゲームエンジンは、これらの特性をすべて詰め込もうとします。
例えば、VRで楽しむようなゲームにDLSS(フレームレート生成技術)は不要ですが、そのほかの表現にはDLSSが必須になる、といったチグハハグな状況が生まれています。



これはゲーム自体が多様化されているからこそ、機能が多くなりがちだけどそこまでプレイできない。
4. マルチプラットフォーム開発がとにかく大変
最近はPC以外に、スマートフォン、Nintendo Switch、PlayStation 5など、ゲームを遊ぶプラットフォームは多様化していますが、これも手を抜く要因。



どれを遊ぶか色々とワクワクするけど…!



でもこれね、落とし穴がある
これが何が問題かと言うと、開発が非効率になるということ。
実際にボタン配置が異なったり、タッチ操作が必要になったり、無線操作が複雑になったりと、プラットフォームごとに細かな調整が必要になるためリリースの調整が難しくなってきます。
また、グラフィックAPI(描画に関する命令)も、PCではDirectX 12が主流ですが、他のプラットフォームではOpenGLなど、それぞれ異なるため、開発者の負担は増える一方です。
多様なプラットフォームの原因は「上場」のために売上を増やすためと考えられており、私はゲームの重さの最大の原因じゃないかと考えている
これからの時代どうなるか?
これらの問題を解決するために、僕はゲームエンジンが「特化」していくと予測しています。
- 3D RPG専用エンジン
- 3D FPS専用エンジン
- 3D レースゲーム専用エンジン
- メタバース専用特化エンジン
- スマホゲーム特化エンジン
- Vtuber用エンジン
- 2D RPGエンジン(RPGツクールのような感じ)
- 2Dゲームエンジン(すでに登場済)
- Switch1、Switch2用ゲームエンジン



軽量化じゃないの?



UnityやUE5などのエンジンも軽量化はすると言ったけど、機能削減は言ってないからな
といったように、用途に合わせて機能が絞り込まれたエンジンが登場するでしょう。
1. 生成AIで自分でゲームエンジンが作れる時代に
これまでは、ゲームエンジンの開発にはC#やC++といったプログラミング言語の高度な知識が必要でした。
しかし、これから来る生成AIの時代では、その状況が変わります。



すでにゲームを作れるようにはなってきているけど、ゲームエンジンも例外ではない。
AIがプログラミングをサポートしてくれるため、個人でもゲームエンジンを開発することが現実的になります。
2. 実際、何でも分散化している
私たちの生活は、すでになんでも分散化の方向に向かっています。
中央集権的なプラットフォームから、個々人が情報やサービスを提供する分散型のシステムへ。
これはゲームエンジンも例外ではありません。
ゲームのジャンル、使用用途(動画、メタバース、スマホ)といったように、さらに細かく分散化されていくのは必然です。



じつはあまり気づいてないけど、すでにRPGも始まって、Nintendoに関してはSwitch専用がある。
特化のゲームエンジンのメリット
特化型のゲームエンジンには、多くのメリットがあります。
1. 動作がかなり軽くなっていく
最大のメリットは、動作が軽くなること。
今のゲームエンジンは、余計な機能が多すぎて容量も大きくなりがちです。
そのぶん特化型になれば、必要な機能だけを搭載するため、ストレージ容量も大幅に削減できます。
2. 習得が簡単になっていく
機能が絞られるため、学習のハードルが下がります。
初心者は、必要な知識だけを集中して学ぶことができます。
3. 基本的な形が作りやすい
今のゲームエンジンは自由度が高すぎて、かえって何から作ればいいのか分からなくなることがあります。
あえて指定系の特化型になれば、ゲームのジャンルに合わせて基本的な構成がすでに用意されているため、初心者でも簡単に制作を始められます。
4. 不具合(バグ)が少なくなる
もちろんだけど機能が少ないほど、バグが発生する可能性も低くなり実装しても少なくなっていきます。
今のゲームが重くてバグが多いのは、あまりにも複雑すぎるからであり、もっとシンプルに行うことが好ましいと考えている。
特化型のゲームエンジンのデメリット
もちろん、特化型にもデメリットはあります。
1. 互換性の問題
まず特化型エンジンが増えると、異なるエンジン間でデータをやり取りする際に、互換性の問題が生じるでしょう。
将来的には、エンジン間で再利用しやすいように、共通のファイル形式が求められるでしょう。



今1つのソフトで完結することが多いから共通用のファイルが存在しない!



たしかにどれも専用ファイルですもんね…
まとめ
現代におけるゲームエンジンは、その多機能性ゆえに多くの問題を抱えています。
しかし、生成AIや分散化といった新しい技術の流れに乗ることで、より軽くて使いやすく、そして特定の用途に特化したエンジンへと進化していくでしょう。
これは、ゲーム制作の敷居を下げ、より多くの人が創造的な活動に参加できる、素晴らしい未来を切り開いてくれるはずです。