簿記2級の第2問は試験問題の中でもラスボスと言える立場です。
第2問では主に個別論点という内容で出題されますが
実際には株式関連の決算関係の問題が出題されることがほとんどです。
そのため、2級の中でも特に難しいといっていいほどで、時間のかかることから受験者の中で第2問が一番の泣かせ問題といえます。
そこで今回は簿記2級の第2問対策について解説していきます。
第2問の特徴

第2問は簿記2級で登場する個別論点の内容が出題されます。
広くて浅い商業簿記の中でも、第2問ではかなり深めな内容となっており、じっくり学習をしないと問題が解けないとされています。

第2問は商業簿記の学習を50時間ぐらい勉強しておかないと解けないです。
それほど内容が深いので、一発で問題を解くのは不可能です・
第2問の出題傾向


よく出てくるのが「株主資本等変動計算書」と「連結会計」、またごくまれに「有価証券」が出題されます。
その他の問題も出てくる可能性がありますが、
基本的に上記の3つ以外、かなり低確率なので、基本的に無視して問題ありません。
ただし、第2問でよく出てくる「株主資本等変動計算書」と「連結会計」では、レベルが格段に違いがあるため、ある意味運要素の強い問題でもあります。
株主資本等変動計算書
出題頻度が1番多い論点であり、大体6割程度の確率で出題されるそうです。
株主資本等変動計算書の問題は入力が多いものの、問題文が比較的簡易的で、かつ計算もそこまで複雑じゃないため非常に簡単問題と言えます。
構造的に難易度も上げるのもなかなか厳しいためか、あまりブレがありません。
満点を狙いやすい問題ですので、出てきたら確実に20点を目指しておきたいです。
株主資本等変動計算書の注意点としては以下のとおりです。
- 株主資本等変動計算書が出たら、他の問題が難しい可能性が高いので、できれば満点を取っておきたい。
- かなりの出題頻度が高いので優先度高めに対策しておきたい
- 桁が千円などと記載されているため、単位の違いに注意
連結会計
次に多いのが連結会計の問題です。
この問題も3割程度の確率で出題されるため、連結会計も捨てれない論点でもあります。
連結会計自体、そもそも非常に難しい論点のため、満点は取るのが難しいと思ってください。
基本的には12点以上は取れればかなりいい線はいってると思います。



ただ、連結会計が出たら、その代わり他の問題が簡単になる傾向は多いみたい。
なお、連結会計は個別会計と同じように決算整理事項がいくつか存在する他に
連結会計特有の開始仕訳があります。
連結会計で非常に重要なのが、とにかくメモの仕訳を確実にやっておきたいことです。
仕訳を確実にやらないと連結会計は全部解けないので、慣れていくのも重要です。



●の数字は必ず出てくる論点なので最低でも100%知っておきたい
- 開始仕訳
- のれん償却
- 子会社の純利益の振り替え
- 非支配株主に帰属する当期純利益
- 子会社の配当金修正
- 内部取引高と期末債権債務の相殺
- 期首・期末貸倒引当金の修正
- 期首・期末商品の未実現利益の消去
- 手形の割引
- 土地の売却益・売却損の消去
- 連結株主資本等変動計算書の穴埋め問題
メモは2枚しか配布されませんが、仕訳の文字が非常に多くなるので1枚分ぐらい使ってもいいです。



その後出てくる第3問には1面分、第4問(2)・第5問では多少のスペースは残しておきたいから全部は使わないようにしてね。
なお、連結会計は軽くやるだけでは覚えれないので、日頃から練習しておかければなりません。
そのため他の商業簿記の時間よりも割合を多くして対策しておきましょう。
- 満点は会計のプロでも難しいので初学者は12点取れれば十分
- 連結会計は難しい!日頃から連結仕訳や構造を知って対策しておく必要がある
- 桁が千円などと記載されているため、単位の違いに注意



これは余談だが
連結会計は簿記1級にほぼ確実に出てくるので、1級をめざすのであれば、練習問題で18点を取れるようにしておきたいです。
その他
その他の問題はおおむね1割程度しか出題されません。
内容的には1級で言う「会計学」的な立ち位置に近いポジションです。
情報によると「銀行勘定調整表」や「固定資産」、「有価証券」などが出てくるそうです。
他にまだあるかもしれませんが、いずれにしても確率的1%未満なため無視しても問題ありません。
ただし、これら上記3つは第1問や第3問でも出題されるので、どっちみちやりこんでおきたい論点でもあります。
特に「有価証券」に関しては1級でも出題される確率が極めて高いため、目標にしているなら優先的に取り組んでおきたいです。
- 出題頻度が極めて低めで対策の重要性は低め
- ただし出てくることがあるので、決して捨てていいわけでもないので、2級の勉強を偏らずに行う。
- 1級で言う、会計学の立ち位置の理論問題が出題されることもあるので、理論も覚えておきたい。
第2問の注意点・対策


簿記2級の第2問における注意点は個別事情事がほとんどのため、全体面ではあまり多くありません。
ただし、第2問では他の問題までの把握も知っておきたい特徴があるので、試験開始してすぐに行うことは避けておきたいです
他の問題が難しくないか確認しよう
第2問が難しいかどうかで、他の問題の難易度が決まっていきます。
その理由はCBT試験では、機械の故障のリスクを抑えることや、簿記2級の試験時間が120分から90分に短縮されたため、難易度調整がされたからです。
前述の通り、第2問は難易度の変動が激しいです。
簡単な問題であれば他の問題が難しくなる傾向、逆に難しすぎる問題であれば他の問題が簡単になる傾向があったりします。



第2問が簡単だったのが、第3問が難しすぎるということもあり得たりします・・・
実際にCBT試験ではおおむね60分程度で終わるぐらいのレベルに調整されるため、統一試験に比べてバランスを取っています。
第2問で他の問題の難易度が決まると言っても過言じゃないでしょう。
解いていく順番は最後
第2問は深く、時間がかかる問題であるため、時間的なコストパフォーマンスは悪いです。
株主資本等変動計算書であれば10分程度で終わるとは思いますが、連結会計などでは30分ぐらいかかると思ってください。
そのため、第2問のスタンスはそれ以外の問題が全部終わり、残った時間でできる限り勧めておくことをおすすめします。
メモ仕訳と電卓の使いこなしは忘れなく
第2問に限らずですが、電卓は確実に使いこなしは欠かせません。
早く確実な入力が求められますので電卓は早めに使いこなすように努力しておきましょう。
また、第2問のうち、連結会計はメモ仕訳が使う場面が多く使うので、メモ仕訳をできるようにしておきましょう。
第2問まとめ


第2問は問題によってはまともに満点が取れない可能性があり、中にはまともに解いてはいけないものも存在しています。



第157回などがいい例だね・・・
ただ、最近は難易度が基礎化される傾向があり、連結会計も重要性が高い割にそこまで出てこないので過度な対策は2級をとるだけであれば不要かと思います
- 第2問は「株主資本等変動計算書」と「連結会計」で9割示す、この2個を主に重点的に対策しておきたい。
- 株主資本等変動計算書が出た場合は他の問題が難しい可能性が高いので満点を狙いたい
- 連結会計は非常に難しいので目安は12点(ただし1級ではもう少し必要)
- その他の問題も出てくるため、ある程度は対策しておきたい
- その他の問題でも「有価証券」は簿記1級で頻繁に出るため重点的に対策したい。
- 電卓対策は必須、ないとほぼ解けないため
- 連結会計はメモの仕訳練習が必須
というように第2問の対策論点は非常に多いです。
この対策論点を知っていけば、合格しやすくなります。
というわけで一緒に合格目指して頑張っていきましょう!
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