もう一つの第4問(2)は同じ第4問でも、まるで別の大問題と言えるほどの内容がガラリと変わります。
今回は第4問(2)について解説していきます。
まず、前提として、この問題を解説する前に、第4問(1)を先にご覧になることをおすすめします。

第4問(2)の特徴

もう一つ第4問で、後半部分です。
同じ第4問でもシンプルだった(1)とは異なり、(2)では第2問のような個別論点を問われる内容になっています。

え・・・てことは結構複雑なんじゃ・・・?



第2問とは違って、規模が小さめだから割りとすぐに終わるよ
CBT試験では(1)と分割しているため、1問なのに2問あるという感じです。
ただし、点数の答案上は第4問は1つで帰って来ます


点数
第4問(2)の点数は16点となっています。
具体的な採点は内容によって異なり、平均的には1箇所あたり2点ぐらいと予測。



要するに第4問は28点・・・?



そう!実は第4問が一番点数が多いんだ
そのため、前回の記事の通り第4問は非常に重要なのは点数の大きさが関わってくるからです。
第5問との違い
似たような問題が第5問でも出題されることがあります。
第4問(2)と似ていますが、一部分異なった特徴があります。
第4問(2)はほぼ0から作成する部分が多いのに対して、第5問は文章と資料だけで理解する問題が多いです。
大きな違いとして第4問(2)は点数が入らない問題が多いのに対し、第5問は割とシンプルな問題が多い傾向です。
ただし、難易度的に第5問のほうが難しく、その問題内容が少し癖が強いとされています。
一方で第4問(2)では作業量は多いもののイメージが湧きやすいものであり、全体像をわかっていれば簡単に解けるものされています。



第4問(2)は広くて浅い、第5問は狭くて深い問題が問われることだな。
第4問(2)の出題傾向


第4問(2)では主に個別論点な問題もしくは、計算書、部門別計算が出題されることが多いです。
内容的に第2問と似ているものの、難易度がそこまで難しくなく、限られたパターンしか出てこないので簡単に解けることも可能です。
部門別計算
部門別計算では主要な直接部門と製造に直接に関わらない間接的部門を部門別に平均的に計算する方式です。
主に部門別計算表とT字勘定の問題がセットで出題されます。
この問題は基礎的な問題になりやすく、合計の数字が一致すればできるため簡単と言えます。
更に図形も必要がないので、合格も狙いやすい問題です。
気をつける点は差異がある場合で、予算額とズレがある場合、その差額を計算して一致する必要があることです・
差異による差額と計算方法を間違わなければこの問題は簡単です。



部門別計算は仕組み上、難しい問題が出しにくいので簡単な部類と言えるよ。
総合原価計算(等別なども出てくる場合あり)
2つ目は、総合原価計算の問題。
総合原価計算は大規模な工場で同じものを作る際に便利な原価計算方式です。
総合原価計算の出題するジャンルは広いのが特徴で、「工程別」や「組別」なども出てくる場合がります。
また、総合原価計算はボックス図がとにかく使いますので、予めボックス図の対策が必要と言えるでしょう。
全部原価計算・直接原価計算
最後の3つ目は決算による問題。
この問題は第2問というより第3問と似たような構図で出題されます。
ただし、範囲が狭いので覚えるものもそこまで多くありません。
大前提として、全部原価計算は外部向け、直接原価計算は内部向けに計算するものという点。
全部原価計算では変動費が含まれていますが、直接原価計算では含まれていません。
なお、どちらも出題されることが多いのでここも重要な論点と言えるでしょう。


第4問(2)の難しい原因


第4問(2)は(1)と比べ物にならないほど難しい問題になっています。
計算量が非常に多い
第4問(2)の最大の特徴と言える、計算問題が特に多いです。
そのため複雑な会計と言える問題と言えるため、数学が苦手な人は特に感じる傾向があります。
資料から計算しなくてはいけない
第4問(2)は決算問題などが出題されることもありますが、資料から解かないといけない内容もあったりするため、どう理解をするのかを解決する力をつけなければなりません。
図を使って解く必要あり
第4問(2)は頭を使わないと解けない特出問題です。
工業簿記は数学が得意な人ほど早く解け、苦手な人は苦戦するとは言われますが、第4問は特に強い傾向があります。
第4問(2)の対策方法


電卓を使いこなす
第4問は電卓をかなり使用するため、電卓を必ず使いこなすようにしておきましょう。
特に電卓のショートカットはこの問題において有効性が高いので、使えるか使えないかで大きく評価が変わっていきます。
まだ購入していない方、どれを選べばいいのか迷う方はCASIOの電卓がおすすめです。


シュラッター図などの図形を使いこなすようにする
シュラッター図などの図形も使いこなせるのも第4問の高得点を取るために欠かせません。
実際に100回ぐらい書いて解くようにすれば、何がこうで何がだめなのかというのが理解ができるようになります。



要するに考えるよりかけるようになれ!って言いたい!
難しい論点は捨てる
工業簿記は比較的範囲が狭く、基礎的な問題が出やすい傾向ですが
たまに難しい論点が出てくる場合があります。



特に組別問題はかなりこういう問題が多いからそこは要注意だ。
難しい論点があって解くのに時間がかかる場合は問題を捨てるのも一つの手です。
まとめ


第4問(2)では工業簿記の総合問題と個別論点の内容が出題されることがわかりました。
しかし、内容的にそもそも難しいものの、そこまで極端には難しくはありません。
点数も16点もあり、得点源の一つと言えるのでなるべく満点を狙っておきたい問題でしょう。
- 決算問題や部門別計算などの問題が出てくることが多い
- 試験問題は基礎的なものが多く、実は難易度のブレは少なめ
- 図形や電卓を使いこなしが重要となる問題
長きに渡る簿記2級の第4問の解説は以上です。
そして最後は第5問の対策です。
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