イラストや漫画、アニメーション制作で大人気のソフト「CLIP STUDIO PAINT」には、機能が異なるPro版とEX版の2種類があります。
それぞれの特徴と違いを理解しておかないと、せっかく買ったのに機能を使いこなせなかった、なんてことにもなりかねません。
そこで今回は、Pro版とEX版の主要な違いを徹底比較!
それぞれの機能や価格、最適な用途などを詳しく解説します。
記事を読み終える頃には、あなたにとって最適なCLIP STUDIO PAINTのバージョンがきっと見えてくるはずです。
clip studio EX版はPro版の上位互換モデル
clip studio ex版はPro版の上位モデルとして位置づける製品です。
Pro版ではイラストだけをメインターゲットに機能を絞って行く代わりとして価格もリーズナブルでしたが
EX版に関してはマンガ制作機能や複数人管理といった機能を完全機能解放したフルスペック版ともいえる立場になっています。
要するに法人やプロのイラストレーター、漫画制作者向けと言った機能と思えばいいよ
clip studio の両者違い
EX版とPro版との違いは大きく2つあります。
- 価格差
- 機能面
順番に解説していきます!
価格
EX版とPro版との価格差は以下の通りになっています。
EX版 | Pro版 | |
---|---|---|
1デバイスプラン【月額版】 | ¥980 | \480 |
1デバイスプラン【年額版】 | ¥7,800 | \2.800 |
1でパイスプラン【永久】 | ¥23.000 | ¥5,000 |
スマートフォンプラン【月額】 | \300 | ¥100 |
スマートフォンプラン【年額】 | ¥2,000 | ¥700 |
EX版はこちら | Pro版はこちら |
永久版でかつPC版では\18,000もの差があり、EX版では\23,000となかなかのPro並みの価格になっています。
それでもプロが使うにはすごく安いほうだけど
一方でPro版は¥5,000からとゲームソフトウェアの価格並みと手頃な価格で購入することができます。
EX版は多機能、Pro版はイラスト前提
Pro版ではイラストを前提にしていますが
EX版はPro版に加えて、以下のような機能が追加されます。
- マンガ制作支援機能
- 四面図パレット
- 光沢レイヤー
- トーン削除
- 3D・2DLT変換
- フィルタプラグイン
- 長時間の本格的なアニメーション機能
- 3Dプレビュー機能
- チーム制作機能
- ベクター描画機能
- デッサン人形
- 漫画機能
- 24フレームレートまでのアニメーション
- Adobe Photoshopブラシ対応(Adobeで作成したブラシにも入れられる)
- 特殊定規
clip studio の両者違い(機能詳細)
機能面によく使われる部分に関して細かく解説していきます
マンガ制作機能【複数ページ】
漫画のページ管理ウィンドウがPro版とEX版ではことなります。
Pro版でも漫画を作れますが、1枚ずつしか作れず4コママンガぐらいまでしか想定されてないぐらい管理が面倒です。
EX版は複数の管理ページを対応できるウィンドウがあったり、「見開き・単ページ」の切り替え、複数ページの書き出しなど様々な長期の漫画を書きやすくする機能が搭載されています。
マンガ制作機能【セリフストーリー】
漫画にはセリフが必ずつきものですが、セリフやストーリー設定などを楽に管理ができる機能がEX版には存在します。
その機能名は「ストーリーエディター」で、この機能はセリフの入力を簡単便利に行ったり、どこの場面で使うのかが管理をすることができます。
長期の漫画になればなるほどその管理がとても大変になります。
clip studioの全体的な扱いにくさの弱点と言える文字入力を簡単に行えるストーリーエディターがあるかないかだけで全然快適度が違います。
3Dプレビュー機能
CLIP STUDIO PAINT EXだけ使える機能です。
完成した際の漫画やイラスト集の本がどんな感じの本に仕上がるのかを再現してくれる機能です。
漫画制作にとってはこの3Dプレビュー機能は絶対に必須と言えるでしょう。
どれぐらい差があるの?
文字がページの真ん中で見えにくくなってしまうとか…大事な場面が真ん中に寄せすぎて読者にとって読みにくいのか…などここの場面は本当に重要です。
ただし、近年はAmazon Kindleといった電子本販売がシェアが増えてきているので昔ほどは意識はしなくても良くなりました。
コミケなどを出す際はやはり必要なのは間違いないので、自分がどこで出品するかどうかで決めておきましょう。
アニメーション
Pro版でもアニメーションを作ることができますが、1秒ぐらいしか作れません。
アニメの世界は1秒=24フレームレート
一方でEX版は無制限で作れるので、アニメ1話分どころか劇場版も作れてしまいます。
後述のチーム制作機能があるので長いアニメ制作には必須と言えるでしょう。
プラグイン
プラグイン機能は痒いところを有志の方が各自用意して便利にしてくれる拡張機能です。
正直なところイラストでもかなり活用できるのでPro版で実装して欲しいほどの便利な機能ですが、正直なところEX版を買って欲しいのが本音だと思われます。
そう考えるとPro版はクリエィティブソフトウェアにしては破格な価格です
使い所は?
プラグイン機能の具体的な使い所としては
- 色ムラ
- 流線
- 集中線
- レトロフィルター
- 自動影色指定
- 指定色を置き換え
- 点光源
など、イラストからアニメーションまで簡単に作れる機能が用意されています。
Adobeユーザーからのイメージで言えばフィルターやレイヤースタイルのような感じで思えれば大丈夫です。
この機能は実際に使ってみたところイラストでも早く完成できるので、プロのイラストレーターにとってはプラグイン機能は絶対不可欠な機能と言えるでしょう。
複数人体制での制作
最後はサークルや企業向けの機能です
Pro版は個人しか使えませんが、EX版ではチーム制作機能が搭載されています。
これはどんな機能なのかといえばですが、主にアニメ制作のときにすごく役立ちます。
アニメ制作は複数のページで作るのでその作業の分担をわけて対応ができます。
EX版とPro版どっちがいい?
結局のところ、EX版とPro版をどっち選べばいいの?
どんな方にEX版とPro版におすすめなのかを紹介していきます。
イラスト・趣味の範囲ならPro版で十分
イラストや趣味の範囲に留めるならPro版だけで十分です。
アニメーションが1秒(24フレーム)だったり、漫画を書くのに非効率だったりするので、速さを求めるビジネス用途であれば話が別になります。
まず、クリスタはどんなものなのか触れてみたい入門の方にはおすすめです。
Pro番は¥5,000の買い切りでも十分だしね!
ビジネス目的、イラスト以外ならEX版を
個人的にイラスト向けであっても「フィルタプラグイン」や「3D・2DのLT変換」の2つは作業効率に直結するのでイラストの依頼をしているならCLIP STUDIO PAINT EXをおすすめします。
また、漫画やアニメーションなども使う際でもPro版における制約があるため、無限大に作れるEX版は必須とも言えるでしょう。
漫画は4コマならPro版、長期漫画ならEX版を
マンガ制作をするなら4コマ程度であればCLIP STUDIO PAINT PROを、それ以外の長期漫画であればCLIP STUDIO PAINT EXをつかうことをおすすめです。
やはりEX版には「複数管理機能」や「ページエディター」、「3Dプレビュー」と言った機能がないと正直なところマンガ制作が本当に厳しいです。
漫画が一番面倒なのは設定管理なので、その設定のマネジメント能力が問われますが
EX版はその手間を減らしてくれるので本当に便利…というよりかは今の時代においては絶対に必須と言える機能でしょう。
後にEX版を上げられるアップグレード優待もある
じゃあ最初からEX版のほうがいいじゃんと思われがちですが
実はclip studioにはPro版購入者向けにCLIP STUDIO PAINT EXのアップグレード優待が設定されています。
いきなりEX版を買うのは抵抗がある…という方にあとから差額の¥18,000分を支払えば終わります。
まとめ
今回はclip studioの2つのプラン【PRO版とEX版】の違いについて具体的な説明をしていきました。
具体的な違いをまとめると
- Pro版は¥5,000、EX版は¥23,000とかなりの価格差がある。
- マンガ制作を使うなら、複数ページやセリフストーリー機能といった便利機能があるため事実上EX版必須、Pro版は1ページまで
- アニメーションはEX版絶対必須、Pro版は1秒ぐらいまでしか生成できない
- サークル活動単体、チーム運営ならEX版がおすすめ
などです。
それぞれの状況に合わせてCLIP STUDIO PAINT PROやCLIP STUDIO PAINT EXを使い分けて購入しておきましょう。
以上参考になると幸いです。