「またパソコンのパーツが値上がりかよ…」
そう溜息をついている方も多いでしょう。数年前、暗号資産(仮想通貨)のマイニングブームによってGPU(グラフィックボード)が異常な高騰を見せた時期がありました。
しかし、あの時はまだ「PCゲームやマイニングをする特定の人たち」だけの影響、つまり一時的なブームで済む話でした。
ここあそういえばそんなのあったな
ですが、今回のメモリ(DRAM)高騰は、それとは次元が違います。
パソコン業界という狭い枠を飛び越え、全世界の経済に致命的なダメージを与えかねないほど深刻なものだと私は危惧しています。
「そんな大げさな…」と思うかもしれません。
でも、それはDRAMという部品がいかに私たちの日常の「あちこち」に深く入り込んでいるかを知らないからです。
正直に言いましょう。
今の私たちの当たり前の日常は、この小さなチップ一つで失われるかもしれないのです。
事の発端:巨大IT企業による「メモリの占領」
今回の危機を引き起こしたのは、単純な需要不足ではありません。
世界的な超巨大IT企業(ビッグテック)が、「占領契約」を行ったことが原因です。
需要が爆発的に増えることを見越して、メモリ製造会社が法外な金額を設定し、それを支払える巨大資本だけが在庫を独占する。
実際に、ChatGPTで知られるOpenAIは、市場に出回るメモリの約40%にわたる占領契約(優先納品契約)を結んでいるとも言われています。
メモリにはいくつかの「種類」がある
一口にメモリと言っても、用途に合わせていくつかの規格があります。
- HBM(高帯域幅メモリ): 今、最も「元凶」となっているもの。AIの学習や計算に特化した超高性能メモリ。
- DDR: 私たちが使う一般的なパソコン用のメモリ(DDR4やDDR5)。
- GDDR: GPU(グラフィックボード)専用のビデオメモリ。
- LPDDR: スマートフォンやタブレットに使われる省電力メモリ。
- ストレージ: SSDやSDカードなどの記録媒体も、実はDRAMの技術と密接に関係しています。



これはPCだけでおそらく家電用や自動車とかのメモリは他に形式があるとは思う
ここで重要なのは、AIに使われるのは「HBM」であるということです。
つまり、HBMは私たち一般人の生活には直接関係のない、大手企業の「AI投資」という野望のためだけの存在です。
しかし、メモリメーカーにとっては、普通のDDRメモリを作るよりも、単価が何倍も高いHBMを作るほうが圧倒的に儲かります。
そのため、製造ラインがHBMに割かれ、結果として私たちが使うDDRやLPDDRまで不足し、価格が跳ね上がるのです。
結局、お金は企業とアメリカの超富裕層のもとへ永遠に流れ込み、ジニ係数(格差を示す指標)はさらに広がっていくばかりです。
メモリ高騰は実はパソコンだけじゃない…
「自分はパソコンを使わないから関係ない」と思ったら大間違いです。
メモリは今や、空気と同じくらいどこにでもある存在です。
皆が大好きなNintendo SwitchやPS5などのゲーム機はもちろん、毎日手放せないiPhoneやAndroidスマホ、iPad。
さらには、今あなたが見ているこのWEBサイトを表示するためのサーバーにも、膨大なメモリが使われています。
しかし、影響はそれだけにとどまりません。
- 自動車: 現代の車は走るコンピューター。制御にメモリが必要。
- インフラ: 自動改札機、自動販売機、ICカード決済システム。
- 家電: 最近のエアコン、高性能な洗濯機や冷蔵庫。
- セキュリティ: 防犯カメラや監視システム。
これらすべてにメモリが使われています。



もしかすると家電は日本のメーカーかもしれないけど、でも少ながらず関係なさそうなメモリも高くなっている



えええ・・・!?こんなにあるのか!
メモリが高騰すれば、これらの製品価格も上がり、企業の経営コストも激増します。
これはもう、個人の趣味の話ではなく、「社会の維持コスト」が跳ね上がるということなのです。
なぜこれが「危機」なのか?
政府が今すぐ行動を起こさない限り、経済はめちゃくちゃになるでしょう。
これは単なる「物価高」ではなく、特定の金持ちによる「資源の独占」です。
40%もの供給を一つの勢力が押さえるなど、需要増加という言葉では片付けられない、もはや独裁に近い状態です。
そして、私が本当に恐れているのは、歴史における「80年周期の破滅」が、このメモリ高騰をきっかけに起こるのではないかという話です。



またまたずいぶんと大げさですよね~
すでに格差は限界に近い
ただでさえ物価高で苦しい中で、メモリ高騰によってPCやスマホの価格がさらに上がればどうなるか? 答えは単純です。
「みんな買わなくなる(買えなくなる)」のです。
日本は幸いにも、過去の遺産としての「モノ」が余りまくっています。
家電などは中古を使い回せば、当面はなんとかなるかもしれません。
しかし、問題は仕事に直結するデバイスです。
PCやiPadが買えなくなれば、若者のITスキルは停滞し、企業の生産性は著しく落ちます。
人が減っているのでこれ以上生産性を上げる必要はないが、今の社会を「維持(運用)」するだけでも、一定のデバイス性能は不可欠です。



なのでいま必要なところは保護貿易が本当に必要なんだよね
それができなくなった時、私たちの生活の質は一気に崩壊します。
今のOSは無駄にメモリを消費しすぎている
そもそも、今のOS(WindowsやiOSなど)は、作りが贅沢すぎます。
これらはすべてアメリカの巨大IT企業が作っていますが、共通しているのは「OS自体に無駄なものが多すぎる」ということです。



こんなん使い切れないし、こんな機能のために無駄に高いものを買わされていたのかというとイラッと来るよな



なんか色々合って私も分かりづらいなって気がする…
(私が頭悪いかなっと思っていたけど)
iOSとかもかつては2GB〜3GBあれば十分すぎるほど快適でゲームもできるほどでした。
それが今や、iPhoneですら8GB積むのが当たり前。
機能が増えて便利になったかと言えば、10年前と本質的には変わっていません。



実はこの時点で生活は満足に足りていたんだよな
Windowsはもっとひどく、10年前に出てきたWindows 10は4GBでも動きましたが、最新のWindows 11は8GBでも足りず、16GBないとまともに作業ができません。
そもそも16GBという数字はゲーミングPCの標準の量なんですよね。
すでに日常が16GBに、ゲームが32GB、クリエイターが64GB化へ移行してきています。
これまでは「メモリが安くて大容量だから、ソフト側が手抜きをしても大丈夫」という甘えがありました。
しかし、今回のメモリ高騰でその前提が崩れた今、この「無駄食いOS」はいよいよその不満に隠しきれなくなってきています。



それがもしAI導入しますと推進したら…
当然だけど消費者はこれにブチ切れることは間違いないでしょう。
今後、世界はどうなっていくのか
個人の顧客を無視し、企業やAIだけを優位にする商売は、いつか必ず壊れます。
経済を回しているのは、結局のところ「個人の消費」だからです。
企業という組織も、中身は一人ひとりの人間です。
その人間が生活できない状況になれば、経済というシステム自体が動作を停止します。
今やメモリは、食品や日用品と同じく、生きていくために不可欠な「生活必需品」になりました。
AIのせいでメモリが買えず、生活が困窮するという暗い未来が見え隠れしていますが、実はここに一つの「逆転の兆し」があります。
実はAIは、進化すればするほど、これまでの大手企業(ビッグテック)に打撃を与える存在でもあるのです。



!?!?!?!?
「無駄な機能」からの脱却
今のIT企業の連中は、AIを進化させることが自分たちの首を絞めることに気づいていないのかもしれません。
例えば、AIを使えばプログラミングの知識がなくてもソフトウェアが作れるようになりつつあります。
これは何を意味するか? これまでの「アメリカ製の大手ソフト・OS」から依存脱却できる時代が来る、ということです。
「無駄な機能ばかり増えて、メモリばかり食って使いにくい」という理不尽なソフトを使わなくても、自分の用途に最適化した、超軽量でシンプルな「自分だけのOSやソフト」をAIに作ってもらう。
これからの時代は、PCやデバイスを「メーカーに与えられたまま」使うのではなく、自分に合ったオリジナルの環境を自ら作り出す時代が来ます。
メモリ高騰という試練は、私たちが長年依存してきた「大手企業によるデジタル独裁」を終わらせるための、手痛い、しかし必要なプロセスなのかもしれません。
まとめ
メモリ高騰は、単なるパーツの値上がりではなく、私たちの生活、経済、そして格差の象徴です。
今は苦しい時期ですが、この理不尽な状況に対する「抗議」としての技術革新(AIによるソフトの自作など)が、新しい自由を生むきっかけになると信じています。
いかがでしたでしょうか。メモリ高騰というニュースの裏側にある、もっと大きな「社会の地殻変動」について少しでも伝われば幸いです。


