2022年9月20日(日本時間9月21日0時)NVIDIAがRTX 30seriesの後継としてRTX 40seriesを正式発表した。
Geforce RTX40 seriesの特徴:RTX 30シリーズからの改良点
TSMC 4N採用
RTX30seriesではAmpereと呼ばれる世代で、Samsung製の8nmのプロセスを採用していましたが、RTX40シリーズではTSMC製の5nmの改良版を採用しました。
これは約半分のほぼ半分程度のサイズであり、同じ性能でも半分程度の規模で性能を活かせる、わずか5nmくらいであるがそれでも相当進化したのである。
余談:900seriesが28nmで10seriesは16nmもしくは14nmだったのでこれに匹敵するくらいの基準です。
なお、最近のTSMCの価格がとんでもなくウェハー金額を引き上げているせいか、おそらくこの素材が一番の値上げの原因かなと思います。
莫大なL2キャッシュ
今回、GeForce RTX 40シリーズが最大の特徴はコア数じゃなくL2キャッシュが増大したこと。
RTX3090 Tiでも6MBだったのがRTX4090では96MB、メモリパスが32ビットで1個で例えるとRTX30では512KB、RTX40シリーズでは8MBへ大幅に増量されました。
なお、キャッシュについてはすでにライバル社のAMDが表明されている通りコア数が多くとも周波数やキャッシュが低めよりもコア数が少なくとも周波数やキャッシュが多いほうがゲーム動作が早くなると証明されているため、間違いなく強力でしょう。
ただし、NVIDIAでは容量は若干少ないがよりコアに近く早いL2キャッシュの方を大幅に増量されたのが特徴です。
爆速周波数
周波数はGTX 10series以来の爆速化です。
30シリーズでは一番早い RTX 3090 Tiでさえ1.8Ghzまでしか出なかったのが、RTX40シリーズでは全シリーズで怒涛の2.5GHzまで引き上げ。
周波数の引き上げはコア数よりもゲーム性能に影響するのでこれは見過ごせないでしょう。
レイトレが超速、超リアルへ

RTX40シリーズではRTコアが第3世代へ進化しました。
この進化機能は速度が早くなっただけじゃなく、かなりリアルになったとNVIDIAが言っています。
DLSSが3世代へ【DLSS3.0】
DLSSがVer2からVer3へ更新されました。
DLSS2.0でも十分な画質と安定性だったのですが、DLSS3.0では更に負荷を軽くして超画質に。
DLSS3ではGeForce RTX 40 シリーズ GPU に搭載された新しい第 4 世代 Tensor コアに加えて、オプティカル フロー アクセラレーター のAI機能でより最大4倍の高パフォーマンスを実現します。
また、DLSS超解像度の機能では、AIを使用した、低解像度の画像からより高解像度の画像を出力をしたうえですべてのGeforce RTX GPUの性能を飛躍ができる模様です。
なお、DLSS3は現状35タイトル以上がサポートする見込みで激重で有名な「サイバーパンク2077」やゲーム開発ソフト「Unity」など対応する見込みです。
DLSS3はRTX 40series以降のみ対応
なお、DLSS3は計算上、高度なため従来のRTX 30seriesやRTX 20seriesからは対応できないとされています。
これについては魅力的な機能な反面、旧モデルが対応できないのは残念ですが、過去の例で見るとGTX 10が最初はレイトレできなかったが条件付きで対応したこともあったので今後のアップデートに期待しておきたいです。
NVIDIA Reflex
FPSゲームに嬉しい機能です。
この機能は反応速度がより高速で実力を発揮しやすくなる最適機能です。
NVIDIA Studio
クリエィティブ用として新たに専用ハードウェ機能が搭載されました。
この機能はどんなものかはまだ詳細は明かされていませんが、少なくとも動画編集や3D編集などには良いものとされています。
NVIDIA Encoderが第8世代へ
エンコード機能が第7世代から第8世代へ更新されました。
また、このエンコーダーはマルチ方式になったのも
変更点としてはH264からAV1エンコードに対応することになったことより高解像度の配信が実現なこと。
配信アプリに最適化する機能が搭載されました。
NVIDIA Canvas
イラストレーターにとって画期的かもしれません。
この機能で搭載した機能は背景制作やコンセプト探しを高速化することで、よりアイデアの具体化に時間をつ開けるようになると期待ができます。
RTX 40series GPU②:Geforce RTX 4090

RTX 4090はRTX3090 の後継モデルです。
RTX 3090にくらべ6000コアほど増えており、価格は1599ドルになっています。
ただし、消費電力は450wほどで、これはRTX 3090 Tiと同じくらいの水準であり。
実質 RTX 3090 Tiを改良し多様な感じに仕上がっています。
RTX 4090 | RTX 3090 Ti | RTX 3090 | |
---|---|---|---|
CUDA | 16394 | 10752 | 10496 |
ベース | AD102 | GA102-400 | GA102-350 |
RTコア | 336 | 328 | |
Tensorコア | 84 | 82 | |
ベースクロック | 2.23Ghz | 1.67Ghz | 1.4Ghz |
オーバークロック | 2.52Ghz | 1.86Ghz | 1.7Ghz |
メモリパス | 384bit | 384bit | 384bit |
メモリ容量 | GDDR6X 24GB | GDDR6X 24GB | GDDR6X 24GB |
メモリ転送レート | 21Gbps | 21Gbps | 19.5Gbps |
L2キャッシュ | 96MB | 6MB | 6MB |
TDP | 450w | 450w | 350w |
推奨電力 | 850w | 850w | 750w |
米ドル価格 | 1599ドル | 1999ドル | 1499ドル |
日本円価格 | 約30万円 | 約32万円 | 約26万円 |
RTX 40series GPU④:Geforce RTX 4080

RTX4080はナンバリング上ではRTX3080 10GBや12GBの後継ですが、価格が規格外に上がっているため、事実上RTX 3080 Tiの後継とされています。
メモリは10GBや12GBから16GBへ大幅にジャンプし、性能はコア数は大して上がっていないものの、L2キャッシュや周波数のおかげもあってか、RTX 3080 Tiの3倍ほどの引き上がっています。
RTX 4080 | RTX 3080 10GB | |
---|---|---|
CUDA | 9728 | 8704 |
ベース | AD103 | GA102-200 |
ベースクロック | 2.21GHz | 1.44GHz |
オーバークロック | 2.5Ghz | 1.71Ghz |
メモリパス | 256bit | 320bit |
メモリ容量 | GDDR6X 16GB | GDDR6X 10GB |
メモリ転送レート | 23Gbps | 19Gbps |
L2キャッシュ | 64MB | 5MB |
TDP | 320w | 320w |
推奨電力 | 750w | 750w |
米ドル価格 | 1199ドル | 699ドル |
日本円価格 | 約22万円 | 約10万円 |
RTX 40series GPU⑤:Geforce RTX 4070 Ti

RTX 4070 TiはRTX 3070 Tiの後継というよりRTX 3080 12GBの後継モデルです。
70番台にしては799ドルと非常に高価であり、以前の70番台のようなバランス系を消えてしまいました。
このモデルはもともとは公式発表でRTX 4080 12GB版として発売されるものでしたが、スペック上問題で10レベルほどの高さがあったことから販売中止し、後にリネームして販売し直した経緯があります。
なお、発売はかつては16GBと同じ2022年11月を予定していたそうですが、前述の通りリネームしたため、翌年の1月5日に発売されました。
価格は以前80番台では899ドルとして発売される予定でしたが、競合相手のAMDが強気なこと、70番台の良さであるコスパが薄れることがあってか799ドルに値下げされました。
ただし、リネームであるためFE版は存在しないです。
RTX 4070 Ti | RTX 3070 Ti | RTX 3070 | |
---|---|---|---|
CUDA | 7680 | 6144 | 5888 |
ベース | AD104-400 | GA104-400 | GA104-350 |
ベースクロック | 2.31GHz | 1.59GHz | 1.5GHz |
オーバークロック | 2.61GHz | 1.77GHz | 1.73GHz |
メモリパス | 192bit | 256bit | 256bit |
メモリ容量 | GDDR6X 12GB | GDDR6X 8GB | GDDR6 8GB |
周波数 | 19 | 19 | 14 |
L2キャッシュ | 48MB | 4MB | 4MB |
TDP | 285w | 290w | 350w |
推奨電力 | 750w | 750w | 650w |
米ドル価格 | 799ドル | 599ドル | 499ドル |
日本円価格 | 約16万円 | 約8万円 | 約7万円 |
今回のRTX 40seriesは値上げが酷い
RTX 40seriesで、一番ピンときたと思ったのは、価格の上昇がとにかく急激な点でしょう。
RTX 4090は1599ドル、RTX 4080は1199ドル、RTX 4070 Tiが799ドルです。
RTX 4090は100ドル、RTX 4070 Tiは200ドルですが、一番問題なのがRTX 4080が500ドルも大幅値上げ。
値上げの原因として挙げられるものは…
- TSMCの4Nを使用して原材料費の値上げ
- TSMCのウェハー値上げが以前に20%の引き上げされた
- GDDR6Xメモリの2GBモジュールが1GBモジュールに比べ高価
- DLSS3やエンコーダー、人工知能機能により嵩張った機能による人件開発費の上昇
- 余剰になったRTX 30seriesの在庫処分、アメリカのインフレ情勢、決算状況からしたら既存製品を下げるではなく新型を引き上げたほうが経営的に得策だと思ったから

個人的に5番が一番の原因じゃないかと思っている。
マイニングブームは正直二度と来ないでほしい
RTX 40seriesのまとめ


RTX40seriesを細かく解説していきましたが、RTX 30seriesのときのようなビックな感じはあまり得られないだけじゃなく、むしろ値上げ祭りでした。
しかし、性能の上昇は上位ほど性能の引き上がりは凄まじく、コスパ自体は決して悪くなったわけではないようです。
それでも、かつてのGTX 10seriesのような同じ価格で2倍の性能というのは過去のものになりそうで、これから価格は2倍で性能も2倍というスタンスになると今後の日本でのゲーマーはAMDやintelになる可能性が否定できなくなりました。
- 全体的に価格が高い(特にRTX 4080やRTX 4070 Tiは2倍に値上げ)
- 今後もしばらくシェア率がGTX 1060やGTX 1650などがトップに居続けて買い替えが少ない
- RTX 4080以下のモデルはメモリ面が弱体化
- 今回を持ってGeforceから事実上Navi Link(SLI)が廃止
- AV1エンコードが実装
- デュアルエンコード搭載でクリエィティブ面が大幅強化
- 消費電力はRTX 30seriesより大幅に改善