現代の日本では、「一人暮らし」は、進学や就職、独立といったライフイベントにおいて、ごく当たり前の選択肢になっていますよね。
社会に出て一人暮らしでなんでもかんでもこなせることができる「自立の証」なんて言われたりもします。

親とかにもそんな事言っていた~



おいおい、それは社会という常識に洗脳されているぞ



ふえ!?
この「一人暮らし文化」って、実は日本の長い歴史から見ると、ごく最近になって普及したものだって知っていましたか?



え!?そうじゃないの!?
歴史を紐解くと、一人で生活していくことはむしろ珍しく、時代によっては「異常者扱い」されることさえあったんです。



そもそもだけど明治維新の近代そのものがなんでもかんでも異常な時代だけど、今回の場合ちょっと少し違う。
今の日本の「労働執着文化」や「東京一極集中」が、どのようにこの一人暮らし文化を加速させ、そして今、なぜその常識が崩れ始めているのか。
僕らの住まいと、これからの生活スタイルについて、歴史と未来の視点から深く掘り下げて考えていきましょう。
今の「一人暮らし」はもはや当たり前だが…
最近、若い世代だけでなく、様々な年齢層の人が一人暮らしを選んでいます。
もちろん、中には配偶者との離別や死別といったケースもありますが、今回僕が注目したいのは、そもそも生涯を通じて結婚という形を選ばない人たちの「一人暮らし」です。



これが一般的な一人暮らしと言えるスタイル。
これは、個人の自由が尊重されるようになった現代の象徴とも言えますが、その背景には、社会構造の大きな変化が隠れています。
江戸時代以前は「一人暮らし」は稀だった
「一人暮らし」というライフスタイルが一般に普及し始めたのは、実は江戸時代以降のことだと言われています。
それ以前、特に戦国時代のような不安定な時期は、単身でいること自体が大きなリスクでした。



そもそも食料自給も今のようなたくさんあるわけじゃなかったしな
安全確保や労働力、相互扶助のために、人々は自然と集まって生活する、つまり「集団生活」が標準でした。
実際に、江戸時代以前の古い建物を見ると、いわゆるアパートのような単身者向けの集合住宅はほとんどなく、大家族で住む一軒家が中心でした。
江戸時代の特殊な「単身者」事情



一人暮らし文化のことの始まりは江戸時代。
江戸時代に入り平和になると、都市部(特に江戸)の人口が急増します。
この時期、江戸の男性の8割が未婚だったとも言われています。



えええ!?そんなに!?
これは、地方から出稼ぎに来た男性が多く、女性の人口が圧倒的に少なかったためです。



多分にゃももお前江戸時代とかにタイムスリップされたらモテモテやぞ~



いや私そんなに興味ないから…
つまり、当時の江戸は「男性が余り、女性が希少」な状態だったわけです。
これは現代の都心部の状況と逆転していますよね。



つまりは今の日本は性別が逆といえど、江戸時代と状況が似ているってこと?



そういうことだ。
今の日本は明治維新からずっと中央集権の価値観は変わってないけど、生活スタイルや経済の中心スタイルで見れば江戸時代から根本的に変わってない。
現代は、地方に男性が余り、都心ではバリバリ働く女性が多く、逆に都心は男性が珍しくなりつつある傾向が見られます。
どちらの時代にも共通しているのは、「仕事場(職)が、結婚や恋愛といったプライベートな生活を阻害している」という点です。
経済活動のための移動が、家族形成のバランスを崩しているのです。



だから仕事は本当に人の時間を奪いかねないから本来なら時間は短くしなくすべきなんだ。
戦後から現在まで:「マイホームがゴール」の時代
戦後から平成初期にかけて、日本社会では「マイホームを持つことが人生の成功のゴール」という価値観が浸透しました。
これは、土地と建物という「資産」を持つことが、そのまま個人の価値や安定を示す時代だったからです。
結婚を控えた若者や、単身のサラリーマン向けに、アパートや団地が次々と建てられました。
高度経済成長期は、家を建てれば、建てるほど人が入る、という需要の時代でした。
家はもう余っているという現実
しかし、このマイホーム神話は崩れつつあります。
実は、1973年の時点で、日本の住宅の数は世帯数を上回り、「家はもう余っている」状態になっています。



かなり前からだったんだね…
にも関わらず、「新築信仰」は長く続き、家は建ち続けました。
しかし今、特に若い世代はマイホームへの憧れが薄れ、「中古住宅や賃貸で十分」もっといえば住むところが快適であれば十分と考える人が増えています。
これは、不動産を「負債」と捉え、身軽さを求める傾向の表れです。
「一人暮らしは若い人のみ」だった時代
戦後から平成初期(1980年代初頭ぐらい)までは、「一人暮らしは、結婚前の若い人の一時的なもの」という認識が一般的でした。
もし、いい歳をした大人がずっと一人暮らしをしていると、「何か問題を抱えているのでは?」「異常なのでは?」と、世間から異質な目で見られる傾向が強かったんです。
ワンルーム・1Kが急増した理由
僕たちが今よく目にする1Kやワンルームアパートが急増し始めたのは、1980年代に入ってからです。



実際に不動産の物件で見てもそのほとんどが1980年代以降しか載せてないものばかり。それ以前はあんまり見ない。
これは、単なる寿命による建て替えだけではなく、当時の社会的な需要の変化に応えるものでした。



そもそも時間も経っているからもあるけど、増えたんだ…



増えた理由は今回の記事で取り上げる理由以外にも実はあるけど今回は関係ないので触れないでおく。
最大の理由は、政治と企業による「東京や都心への一極集中」です。
地方の仕事を減らし、若者を東京に集め、彼らの労働力で経済を回す。
結果として、地方から上京した大量の未婚者が住むための、狭くて安価な単身者向け住居(1K・ワンルーム)の需要が爆発的に増えました。
このときから東京は高い傾向だったため、やすさのために千葉、埼玉、神奈川などの近辺にもアパートを多く建てられていきました。



実際に見ても、都会は一軒家が少なく、アパートが多い。
逆に田舎はアパートが珍しく、一軒家だらけ
距離でいうと東京から100kmぐらいになると明らかになる
特に、就職氷河期に突入すると、非正規雇用の増加などにより、結婚を選択できない・しない未婚者が急増。
これが、「結婚して家族を持つのが当たり前」から「一生独身・一人暮らし」というライフスタイルを社会的に加速させた決定的な要因となりました。
「一人暮らしは絶対」という常識が崩れ始めた2020年代
しかしところがその「一人暮らしが自立して当たり前」という常識は、2020年代に入り、ついに疑われ始めています。
現実的ではない「一人暮らしコスト」
最大の要因は、経済的な問題です。
給料が上がらない中での激しい物価上昇は、一人暮らしを非現実的なものにしています。



節約系Youtuberも一人暮らしするより実家ぐらしをしろ!
とおすすめされているぐらいですもんね。



彼らは貯金や資産を推進するためというのが目的主義が大きいのでそれはおいて、実際問題すでに裏を返せばもう生活すら難しいよと言っている。
特に都心では、ここ最近家賃や食費の高騰が激しく、もはや「東京はコスパが悪い」という認識が広がり始めました。
そもそも東京だけでワンルーム10万円も珍しくないほど。



くわえ競争社会も激化して生活も限界を迎え、いくら頑張っても報われないなど…
その結果、近年長い目を見て生活ができないと判断し都心を離れる人が増えています。
特に、都心で低賃金労働に従事していた若い世代から流出する傾向にあり、この動きは今後、幅広い層に広がる可能性があります。
価値観の変化:実家暮らしもOK
アンケート結果を見ても、Z世代(今の若者)の約5割が「経済的な理由があれば、実家暮らしを続けても問題ない」と考えていることがわかっています。
これは、住むこと自体が経済的に困難になりつつある現実と、「自立=一人暮らし」という旧来の価値観からの脱却を意味しています。
政治政策による不満による影響も?



これも少なくても今の一人暮らしにおける疑惑に関係してくるね。
さらに言えば、今の日本が一人暮らしを加速した背景のもとになった、政治や天下りによる搾取が悪事としてバレ始め、そもそも人の数多く集まり決めておくという前提設計な日本政府そのものが存続可能なのか怪しい状況にあります。
実際に、いつまでも意思決定が遅いし、国民のための制作が全然打ち出さないなど不満を持つ国民によるデモも散見されます。



そもそも一人暮らしができないとなればそうなっちゃうよね



もうね…この状況になったら今の中央集権構造は無理じゃないかなと…ホンマにそんな感じな気がする
もしこの不満が過激化すれば、フランス革命のような大きな社会変革が起こり、これまでの常識や文化は一気にひっくり返るかもしれません。
今後どうなるか?生活スタイルの「分散化」へ
今後、「一人暮らし」をする人の総数自体は高齢化などで増えるでしょうが、「若者が都心で一人暮らしをするのが当たり前」という風潮は確実に終わります。



そもそも田舎だと一人暮らしをする人はあまり多くなく実家を引き継ぐというパターンが多い。
キーワードは、「生活スタイルの多様化(分散化)」です。
1. 地方への移転と「間取りの大型化」
都心での一人暮らしは減り、地方都市への移動が増加します。
これにより、単身者でも生活水準が上がる傾向が出てくるでしょう。



生活水準というのは実はお金の消費のことじゃない。
つまり15万円で2LDK生活と20万円の都心のワンルームだったら前者のほうが生活水準が高い。
これまで標準だった1K・ワンルームではなく、1LDK、さらには2DKや3DKといった広めの間取りを一人暮らしで利用するケースが増えます。
これは、日本の歴史で見て、間取りや面積は徐々に広くなっていく傾向にあったため、狭くなるのはむしろ「デフレ化」による一時的な逆行だと考えることもできます。



今のデフレは税金や社会保険料のとりすぎでお金が少ないのが実はそうなっているだけで、家そのものはインフレ化(改善)しているという。
特に2DKや3DKは、1980年代に建てられた古い団地やファミリー物件に多く、現在かなり余っています。
これが、コスパの良い一人暮らし用の住居として再利用され始めているのです。
2. 実家を引き継いでいくスタイル
核家族化が進んだ戦後から続いてきた「親の家を出て新しく家を構える」というスタイルから、「実家を引き継ぎ、リフォームして住む」というスタイルが増えていくでしょう。
空き家問題の解消にも繋がります。
3. シェアハウス、ホテル、そして「メタバース生活」



そしてこれは家に住んでいたそのものから大きく価値観を変えていく。
シェアハウスは経済合理性とコミュニティを求めるZ世代に、さらに普及する可能性があり、すでに現在増加傾向です。
ホテル暮らしは出張族やリモートワーカーを中心に、移動しながら住む「ホテルぐらし」も身軽で人気が高まっています。



実はそれ以前にネットカフェ難民とかいうけど、それも先駆けだった。
さらに物理的な制約を受けない仮想世界(メタバース)での生活が普及すれば、物理的な住居に対する執着が薄れ、「仮想世界に快適な居場所」を求める人も出てくるかもしれません。
WEB3時代の到来は、住まいの概念すら変える可能性があります。
けどまだまだと言えるレベルで50年ぐらいにはその世界も見えてくるかもしれません。
4. セカンドハウス・二拠点生活が当たり前に!
最終的に、「セカンドハウスライフ(二拠点生活)」が当たり前になっていく可能性があります。
これは、都心での災害リスクの分散や、地方の豊かな自然の中での生活を求める動きもありますが、何より日本全国に家が余りまくっているからです。



田舎の家とか見てみ!
北海道の駅前でさえ、使えるのにボロボロの廃墟があるほど、空き家は溢れています。
これらの空き家を安く手に入れ、リフォームしてセカンドハウスとして活用する。
お金目的で消費を増やすより、既に存在するものを節約して活用するという日本らしいスタイルが、これからの住まいの主流になるかもしれません。
僕たちの生活スタイルは、中央集権的で画一的なものから、分散的で多様なものへと大きく変化していきます。この変化は、新しい働き方や創造的な活動にも繋がっていくはずです。