「コモディティ化」という言葉を聞いたことがありますか?
難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は私たちの日常生活のあらゆる場面で起こっている現象です。
この流れを理解しておかないと、知らないうちにあなたの仕事やスキルが、価値のないものになってしまうかもしれません。
今回は、この避けられない現象である「コモディティ化」について、わかりやすく解説します。
コモディティとは?
まず、「コモディティ(Commodity)」とは、直訳すると「日用品」「商品」を意味します。
元々は、原油、金、トウモロコシといった、品質や特徴に差がなく、市場で交換される一次産品を指す言葉でした。
例えば、ある農家が作ったトウモロコシと、別の農家が作ったトウモロコシに、品質上の大きな違いはほとんどありません。
そのため、価格は市場全体の需給で決まります。
これが本来のコモディティです。
そして、「コモディティ化」とは、もともと特別な価値や特徴を持っていた商品・サービスが、時間の経過とともに他社との差別化がなくなり、「ありふれた商品」**になっていく現象を指します。

ようは特別から一般へ変わったということ
スマートフォンを例に考えてみましょう。iPhoneが初めて登場した時、それは「革新的」で唯一無二の存在でした。
しかし、今や多くのメーカーが同様の機能を持つスマホを販売しており、消費者は価格やブランド名で選ぶようになりました。
この状態が、スマホのコモディティ化です。
どんなものでも長い歴史で見れば安くなって淘汰される
歴史を振り返ると、ありとあらゆるものがコモディティ化してきたことがわかります。



でもどういうものが具体的にコモディティ化したのだろうか?
今は信じられないかもしれないけど卵は江戸時代には、卵は非常に貴重で、高級品でした。
記録によると、一個あたり400円以上の価値があったとも言われています。



今は庶民の味方である卵はそんなに高かったんだ…!
しかし、養鶏技術の進化と流通網の整備により、今では10個入りパックが200円程度で手に入る「安価な日用品」になりました。
初期の自動車は、ごく一部の富裕層しか持てない贅沢品でそもそも乗り物すらないのが当たり前。
しかし、フォード社が大量生産方式を確立したことで、価格が下がり、誰もが持てる交通手段へと変わりました。



今となれば車は高級品だけど、その代償として鉄道やバスが代わりとなっている
1980年代のパソコンは、数十万円もする高価なものでした。
しかし、技術の進歩と競争の激化により、今では数万円で高性能なパソコンが手に入る時代です。



6万円のミニPCでもゲームできる時代なんだぜ!
このように、どんなに革新的で高価だったものでも、技術が普及し、多くの企業が参入することで、「誰でも作れるもの」になり、価値が下がり、価格競争に巻き込まれていきます。
これは、個人が持つスキルや知識でも同じことが言えます。
「風の時代」はコモディティ化がすぐに起こる
現代社会は、情報や技術が瞬く間に広がる「風の時代」と呼ばれます。
かつては、新しい技術や知識が広まるまでに何年もかかりました。
そのため、専門家は安定した地位を保てました。
しかし、インターネットが普及した今、情報はあっという間に世界中を駆け巡ります。
特に、近年ではAIの進化がこの流れを加速させています。
- プログラミング。
- デザイン
- 会計
- 確定申告
- ライティング
AIは、これまで専門家が持っていたスキルを、誰もが簡単に使えるようにするツールです。
これにより、「決められた答えを導き出す」だけの仕事は、真っ先にコモディティ化の波に飲まれていきます。
依頼された問題をマニュアル通りに解決するだけの仕事は、いずれAIが代行するようになるでしょう。
まとめ:コモディティ化から逃れるには?
コモディティ化の流れは、避けて通れません。しかし、その波に飲まれないための方法が2つあります。
- 「ブルーオーシャン」へ飛び込む
- 「問題解決」ではなく「問題発見」の能力を磨く
「この社会には、まだ解決されていない問題があるのではないか?」
「この技術を、誰も気づいていない新しい分野に応用できないか?」
このような視点を持ち、常に新しい価値を生み出すことに挑戦し続けることが、コモディティ化の波を乗り越える唯一の方法です。
どんなに素晴らしいスキルも、時間が経てば必ず陳腐化します。
しかし、「学び続ける姿勢」と「新しいものを生み出す力」だけは、決してコモディティ化することはありません。