最近、SNSや広告でよく目にするようになったBTOメーカー「MDL.make」。
「コスパが良い」「デザインがスタイリッシュ」という声を聞く一方で、大手メーカーと比べるとまだ情報が少なく、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。
最近はゲーミングPCがマイナーなものからどんどん一般化してきていて、年々需要増加してきています。
その流れでMDL.makeを運営している会社のメタデータラボ株式会社は2018年設立と10年も経過していない新米な会社です。
ありすなんと2018年!



うん!2018年と言ったら、NVIDIAのGTX 10からRTX 20シリーズへ移行した時期でもあるんだ
今回は、MDL.makeの特徴からデメリットまで、忖度なしに深掘りしていきます。
MDL.makeは安全なBTOなのか?



実際に買っているわけじゃないので詳しくは書けないが、ひとまず表面上の情報だけで調べてみる限りはいろいろと情報があったので情報を記載するね



レビュー記事お待ちしてーます
MDL.makeはまず、どこの国で作られているかについてだが、「鹿児島県鹿屋市旭原町2615-5」の情報が書かれている通り、日本で作られています。
そしてその会社も設立も日本です。
いちおうこの住所でGoogleマップでちゃんと確認して本当にあったのでれっきとしたBTOメーカーであることは間違いありません。



場所も田舎で建物とかはコンビニの跡地で作られたような形だったね、あとは車とかも結構止まっていた
実際にレビューやXなどのSNSでみてもちゃんと届いて使えていることの情報も多くあったので、信頼性ならびに評判自体は良いBTOだということは確かです。
ここまでは一般的に言われるが、本質はプロやPCオタクが見ていく視点。
MDL.makeの特徴と強み



さて、MDL,makeはどんな強みがあるのかを解説するよ!
カスタマイズがそこそこに広く、バランスを取った選択肢


まず良いなぁと思ったのはカスタマイズのバランスが良いという点。
最近のBTO(Build to Order:受注生産)業界を眺めていると、二極化が激しいなと感じます。
ドスパラやマウスコンピューターといった大手は、生産効率やコスト削減のためにコストの掛かるカスタマイズ項目を極限まで絞っていて、最近は本当にこれってBTOなのかどうかも声があるぐらい少なくなっている状況。
逆に、サイコムやストームといったこだわり派メーカーは、ケースから選んでパーツの型番を多く指定できる代わりに、情報が細かくPC初心者には少しハードルが高く難しいと言った印象です。



まあ上級者とかは選んでて楽しいなぁと思っているので苦痛じゃないと思うけど
MDL.makeはその「中間」をうまく突いています。



「中間って言っても、適当なわけじゃないのよね。初心者でも迷いすぎず、でも『ここだけは変えたい!』っていうツボを抑えてる感じかな。」



そうだな。選択肢が多すぎると複雑で使いにくくなるが、少なすぎると自作erの血が騒がない。その塩梅が良いということだ。
一般モデルと本格水冷モデルで選べる範囲も異なり、本格水冷でも「範囲はそこまで広いわけじゃないがわかりやすく自分好み」という絶妙なラインは、初めてちょっとしたこだわりを持ちたいユーザーにとって、非常に優しい設計になっています。
コスパが良いのにマザーボードのクラスがバランスが良い
ここは個人的に高く評価したいポイントです。
最近のコスパ重視モデルは、見えないところでコストカットをしています。
その筆頭が「マザーボード」です。
驚くことに、最近はハイエンドなCPUを積んでいてハイエンドモデルでいながら、チップセットが「B850」などのミドルクラス、あるいは拡張性が皆無な格安ボードを使っている大手製品をよく見かけます。



これは普通の人から見ればわかりにくいコストカットだけど、PCに詳しい人からすればあんまり印象よくない
しかし、MDL.makeはここをしっかり差別化しています。
例えばAMDのCPUだとこんな感じ。
- Ryzen 7 5700XとRyzen 5 5500→A520もしくはB550(RTX 5070の一部)
- 標準モデル(特定に当てはまらない)→B650
- RTX 5080とRTX 5090モデル→X870(ASRock X870 Pro-A WiFi)
というように搭載するCPUやGPUによってグレードの条件が設定しているんです。
Ryzen7 5700Xや5500とかは載せられるマザーボードという技術的な理由で旧式が採用しているが、後継モデルの7700や9700XなどがB650とありそのグレードの差をつけるためにA520のモデルがほとんどだったです。
なお、マザーボードをケチると、将来パーツを増設したくなった時に泣くことになるので実はCPUやGPU以上に重要。
MDL.makeの「クラスに応じた適切なパーツ選び」には、作り手の誠実さを感じますね。



あとはVRAM16GBで差別化が乏しいRTX 5080とRTX 5070 Tiをマザーボードの差別化もしていているのも面白いところ
MDL.makeのデメリット
良い面ばかり書くと「案件記事」のように見えてしまいますが、これは個人のブログです。
私が「ここはちょっと……」と感じた部分もしっかりお伝えします。
リサイクル回収の義務に関する説明記載がない
まず新興BTOであるあるなのがリサイクル回収に関する説明がないということ。



これねぇ~リサイクル回収マークとかの表示がないと結構めんどくさいんだよね…
これは日本の法律(資源有効利用促進法)に関わる部分ですが、PCメーカーには「PCリサイクルマーク」の貼付や回収の義務があります。
大手BTOや昔からあるBTOメーカーであれば、当然ながら明記されていますが、MDL.makeのサイトを確認した限りでは、このあたりの記載が見当たりません。
将来的にPCを捨てる際、リサイクルマークがないと専業者に依頼して数千円の追加費用が発生する可能性があるため、ここは明確にしてほしいポイントです。
ハイエンドモデルが少なめ
MDL.makeは低価格コスパ性に伴い母数を意識しているからか、全体的にハイエンドモデルのラインナップはかなり少ないです。
「最強のスペックで組みたい!」という方には、MDL.makeは少し物足りないかもしれません。
特に、Ryzen 9 9950X3DやRTX 5090といった超弩級のパーツを載せた選択肢が少ない印象です。



最強スペックを求めると、だいたい『本格水冷モデル』に行き着いちゃうのよね。あれ、見た目は最高にカッコいいんだけど、メンテナンスが大変じゃない?



ああ。本格水冷は『冷やすための装置』という簡易水冷よりも効果は大きいから意味があるけど、もはや『盆栽』に近い趣味の世界だ。
普通の空冷や簡易水冷で最強スペックを組みたい人にとっては、選択肢の狭さがネックになります。
ローエンドモデルはまったくない
MDL.makeは潔いほど「ゲーミング特化」です。
そのため、グラフィックボード(GPU)を積んでいない事務用PCや、RTX 3050 / RTX 5050といったエントリー以下のモデルはほとんど存在しません。





3050についてはいちおうあるけどCPUが2モデルとおまけ程度レベル(12400か5500しかない)
「ゲームはしないけど、3画面出力したいから安いGPU付きPCが欲しい」といった需要には、残念ながら応えられません。
これはどのBTOもそうだが、基本的にゲーミングPCの最低ラインがRTX 5060クラスからとなっているため、10万円といった予算を極限まで削りたい方には不向きです。
可愛いケースがあんまりない
これは女性ゲーマーや、インテリアにこだわる方には大きなマイナスかもしれません。
最近は白PCは増加傾向ですが、MDL.makeにも白はもちろんあります。
しかし、ピンクといった、いわゆる「ラブリー」系の路線のケースがないです。



アリスだったらどんなPCが良いのか?



そうだね~!私は天使系の色がすきだから白や水色かな~
インテリアを揃えておきたいピンク色重視な方とかはちょっと向いていないかもしれません。
発送期間が長い
即納モデルや速達配送がある大手に対し、MDL.makeは通常モデルで14〜26営業日。
本格水冷に至っては30営業日という記載があります。



注目したいのは日数ではなく営業日であること



日数と何が違うんですか?



営業日を簡単に言えば営業稼働している日数のこと。
逆に言えば営業稼働しない日はカウントしないということ。一方で日数は全てカウントする。
つまりフルタイムサラリーマンで例えると土日は入れないよということだ(もちろんこれはあくまでも例だ)
土日祝日を抜いた「営業日」計算なので、14~30営業日の計算と配送で諸々合計すると実際には手元に届くまで4週間〜1ヶ月半かかると考えておいたほうが良さそうです。
「来週の連休に遊びたい!」という急ぎのニーズには全く対応できません。
MDL.makeがおすすめな人



うーーん、MDL.makeってどんな人がおすすめになるのかな?



そうね~!もしメモリ高騰とかなかったらコスパで勧めたかったけど、大手の格安がマジで強いからな~
でも2つだけおすすめできるかも
カスタマイズの細かさに抵抗があるけど、ちょっとしてみたい人


まずはカスタマイズのバランス性に求めていくならMDL.makeはありじゃないかなと思います。
多すぎず、だからといって選択肢も少なくもないのでバランスの良い選択というのが個人的には買い物しやすいなって感じ。
MDL.makeのカスタマイズ画面はシンプルなので、メモリを少し増やしたり、SSDの容量を大きくしたりといった調整が直感的に行えます。
LINEでのやりとりに抵抗がない


MDL.makeはサポートや相談の窓口としてLINEを活用しています。



MDL.makeの当時は他のメーカーよりも先にLineを取り入れていたからこの点は本当にいまの20代に刺さっていたわね。
メールだと堅苦しいし、電話はなんだか仕事みたいなかったるいなぁって感じでこの辺は20代の若者にとってもストレス。
普段使っているLINEで「このゲーム動きますか?」と気軽に聞けるスタイルは、現代の日本人にとって非常にマッチしています。
MDL.makeをおすすめしない人



逆にMDL.makeをとくにおすすめをしない人は以下の通りね。
PCリサイクルの記載がないのに抵抗がある人
前述した通り、MDL.makeにはリサイクル回収の記載がないです。
これはガチPCユーザーからでも、ゲーミングPC経験8年の私から見てもすごく気になる要素で、正直高い買い物なので購入には抵抗があるかなという印象です。
おそらくは適応はしていくだろうとは思いますが、こういったリサイクルに気にする人は割と多いのと、同じく新興BTOでもOzGamingではちゃんとリサイクル記載はしているので、長い目で見て、この点は改善必須級ですね。
将来の廃棄コストを気にする方や、コンプライアンス面でカッチリしたメーカーから買いたいという方には、別のメーカーを選んだほうが良いかもしれません。
可愛いピンクのゲーミングPCを探したい人
現状のMDL.makeが用意するケースのラインナップは「黒・銀・白」がメインです。
白のケースでも天使界隈の色や紫色があるのでその色にマッチしますが、やはり肝心となる女性がいちばん好みの色となるピンクのケースはないのでピンクを探している人は他のBTOや自作でやるほうが良いかも
配送をとにかく急かしたい
「今すぐ欲しい」という感情は、MDL.makeにおいては禁物です。
前述の通り発送は最低でも14営業日以上はかかるので速達性を求めるならドスパラなどの大手BTOを選んでおきましょう。
まとめ
MDL.makeは、中央集権的な巨大メーカーにはない「こだわり」と「コスパのバランス」を両立させた、非常に日本的な良さ(分散的な職人気質)を感じるメーカーです。
結論:
- 1ヶ月待てる余裕がある。
- 中身のパーツ(マザーボード等)にも少しこだわりたい。
- LINEでサクッと相談したい。
これらに当てはまるなら、MDL.makeは非常に良い選択肢になります。 逆に、可愛さやスピード、100%の安心感を求めるなら、まだ大手メーカーに軍配が上がるでしょう。
今回細かく辛めのレビューしましたが、基本的にまだまだ成長見込みがある良いBTOであることは確かだし、このBTOのケースに刺さる人や自分でなんとかなる人には合うかなと思います。



ただ、PCリサイクル表記だけはどうにかしたほうがいいね


