「ゲーム系メタバース」という言葉を耳にする機会が増えました。
新しい技術と可能性に満ちた分野ですが、「実際のところ、転職は厳しいの?」「未経験でもチャレンジできる?」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、ゲームとメタバースに精通したアクアさんと一緒に、ゲーム系メタバース業界への転職のリアルと、それでもこの分野を狙うべき理由を徹底解説していきます!
結論:厳しめ
さて、ここまでゲーム系メタバースの魅力について語ってきましたが、正直なところ、この分野への転職は「厳しめ」 と言わざるを得ません。

やはりか…
これは俗に言う「買い手市場」という状況で、企業側が多くの候補者の中から、自社のニーズにピッタリ合う人材を選び放題という状態です。
求人の数自体がまだ少ない上に、求められるスキルも非常に専門的であるため、そう簡単には内定を勝ち取れないのが現状です。
しかし、厳しいだけではないのがこの業界の面白いところです。
意外なことに、採用が決まれば給料が良いところも多い傾向にあります。



買い手だし、それなら会社とかは無理に上げなくていいんじゃ?



いやいやそうもこれが行かんのよ。
なにせこれ難しいね。
これは、メタバース関連の技術スキルを持つ人材の「単価が高い」からでしょう。
VR/AR、ブロックチェーン、そして最近注目されているAIなど、最先端の技術を扱える人材はまだまだ限られています。
だからこそ、企業もその価値を高く評価してくれる傾向にあるのです。
特にAIの進化は目覚ましく、メタバース内でのユーザー体験を向上させるためにAIをどう活用していくか、各社がしのぎを削っている状態です。
これらの専門知識があれば、たとえ転職が厳しい買い手市場であっても、高待遇を狙える可能性は十分にあります。
厳しい理由
ゲーム系メタバース業界への転職が厳しいのには、いくつかの明確な理由があります。



単に求人数が少ないというだけでなく、求められるスキルセットや働き方にも特殊性があるからね
そもそも人気やねん!
まず、大前提としてゲーム業界、そして近年注目を集めるメタバース業界は、多くの人にとって魅力的なフィールドです。
新しい技術や創造性に富んだ環境で働きたいと考える人が多いため、必然的に応募者も多くなり、競争率が高まります。



創造性についてはもっと会社増やしてもいいんだけどなー
(利益追求ばかりだから呆れて辞めちゃうんよ)
特に、ゲーム開発の経験がある人にとっては、メタバースは新たな活躍の場として非常に魅力的に映るでしょう。
このような人気の高さが、転職を厳しくしている大きな要因の一つと言えます。
扱うソフトがかなり難しい
次に、業務で扱う主要なソフトウェアの難易度が高いことが挙げられます。
ゲーム系メタバースの開発では、主にUnityやUnreal Engine 5(UE5)といったゲームエンジンが使われますが、これらのソフトはいずれも非常に多機能で、深い知識と経験が求められます。
例えば、UnityやUE5は、3Dモデルの配置、アニメーションの作成、物理エンジンの調整、スクリプトによる機能実装など、多岐にわたる作業を一つのプラットフォーム上で行います。



いずれ2つは基本的なもので、実際にはもっとソフトを使うよ。
それぞれの機能が複雑に連携しており、思い通りの表現を実現するためには、かなりの習熟期間が必要です。
そのため、実際にこれらのソフトを「一人で完全に使いこなして開発できる」という人は非常に少なく、企業は即戦力となる高いスキルを持った人材を求めています。
基本的な操作だけでなく、パフォーマンス最適化やデバッグといった高度な技術も求められるため、独学で習得するには限界があり、実践的な経験が重要となります。



まあUnityはともかく、UE5は独学は難しいね…
(最近は生成AIで簡単になってきたけど)
いろんな職が多く、ちゃんと細かく意思を示さないと就職は厳しいね
ゲーム系メタバースの開発は、多岐にわたる専門職で成り立っています。
フリーランスとして一人で全てをこなす人もいますが、企業に勤める場合は基本的に専属の職種に特化することが多いです。
代表的な職種としては、以下のようなものがあります。
- 3Dデザイナー(2Dデザイナー含む)
- UIデザイナー
- プログラマー
- プランナー
- システムエンジニア
これらは最低でも5つ以上の職種があると思っていいでしょう。
大きな会社では、キャラクターモデラー、モーションデザイナー、エフェクトアーティスト、サウンドクリエイター、QAエンジニアなど、さらに細かく分かれていることもあります。
また、開発しているゲームタイトルやメタバースプラットフォームの種類によっても、求められる専門性が異なります。
このように、職種が細分化されているため、転職を目指す際は自分がどの分野でどのようなスキルを発揮したいのかを明確に示せなければ、企業側も採用を検討しにくいのが実情です。
基本的に、これらの職種は「ガチなスペシャリスト」であることを求められます。



これは以前の職種や価値観だったらOKだったかもしれないけど
幅広い知識も重要ですが、まずは特定の分野で深い専門性を持つことが、採用への近道となります。
コミュニケーションがめっちゃ問われる



これだけチームが細かく分断しているということは…



もちろんチーム体制で開発を進めることが前提よ。
そのため、円滑なコミュニケーションは欠かせません。
一般的なビジネスにおける意思疎通能力はもちろん重要ですが、ゲーム系メタバース開発においては、それだけでは不十分な場合が多いです。
業界特有の専門用語や技術的な内容を理解し、異なる職種のメンバーと正確に情報共有できる能力が求められます。
例えば、プログラマーがデザイナーの意図を汲み取って実装したり、プランナーが技術的な制約を理解した上で企画を立てたりするなど、それぞれの業務範囲を超えた知識があることで、よりスムーズに連携できます。
そのため、自分の担当業務範囲だけでなく、関連する職種の知識や、業界のトレンド、新しい技術動向など、業務範囲以外の内容もある程度は知っておく必要があります。
活発な議論を通じて問題を解決し、より良いものを作り上げていくためにも、高度なコミュニケーション能力が不可欠なのです。



最近は生成AIのおかげかデザイナーでもプログラミングが扱えるという事例もでてきているみたい
狙ったほうが良い理由
ゲーム系メタバースへの転職が厳しい側面があるとはいえ、それでもこの分野を「狙うべき」と断言できるのには明確な理由があります。将来性、スキルアップ、そして自身のキャリア形成において、非常に大きなメリットを享受できる可能性を秘めているからです。
ゲームは起業しやすい
ゲーム開発、ひいてはメタバース開発は、ソフトウェアであるため個人でも比較的始めやすいという大きな特徴があります。
物理的な設備投資が少なく、高性能なPCと開発ツールがあれば、自宅でも創作活動をスタートできます。



UnityやUE5は使わないよというなら、ぶっちゃけ「スマホ」でできる。
これにより、もし企業への転職が叶わなかったとしても、個人での起業やフリーランスとしての活動という選択肢が現実的になります。
また、ソフトウェアそのものの開発だけでなく、ゲームやメタバースを構成する要素ごとの需要も非常に大きいのです。



業務量がとてつもなく大きいからね~
例えば、プログラミングスキルはゲームロジックの実装だけでなく、AI開発やツール作成にも応用できます。
また、3DCGスキルはキャラクターモデリング、背景制作、アニメーションなど多岐にわたり、ゲーム業界以外でも建築、デザイン、映像制作といった分野で高い需要があります。
このように、ゲーム開発で培ったスキルは、単に「ゲームを作る」という枠を超えて、様々な形で価値を生み出すことが可能なのです。
これは、個人のキャリアを柔軟に築いていく上で大きな強みとなります。
一般プレイヤーとして役立つため
ゲーム開発の知識や経験は、単に職業としてだけでなく、一般のプレイヤーとしてゲームを深く楽しむ上でも非常に役立ちます。ゲームがどのように作られているのか、どのような仕組みで動いているのかを理解することで、単にプレイするだけでは気づかなかった開発者の意図や技術的な工夫に目を向けられるようになります。
例えば、バグが発生した際にその原因を推測したり、ゲームのバランス調整の妙に感心したり、新しい機能がどのように実装されたのかを想像したりと、一般的なプレイヤーとは一線を画す視点を持つことができます。
これにより、ゲーム体験がより一層豊かなものになるでしょう。
また、ゲームコミュニティ内での交流においても、開発側の視点から意見を述べたり、他のプレイヤーの疑問に答えたりすることで、より深い議論に参加できるようになります。ゲームへの深い理解は、趣味の幅を広げ、人生を豊かにするツールともなり得るのです。
実は汎用性が高い
メタバースは、単なるゲームの延長線上にあるだけでなく、実は非常に汎用性が高く、様々な業界で活用できる可能性を秘めています。
現在、メタバースはエンターテイメント分野での活用が目立ちますが
今後は教育、医療、建築、不動産、観光、小売など、あらゆる業界で新たなビジネスモデルやサービスが生まれることが予想されています。
例えば、医療分野では手術シミュレーションや遠隔医療、教育分野では仮想空間での体験型学習、建築分野では仮想空間でのデザインレビューやウォークスルーなどが考えられます。
このような多様な分野でメタバースが普及していく中で、そこで培われる技術や知識は、より一層価値を高めていくでしょう。
特に、今後生成AI時代がより普及すると、単一の専門知識だけでなく、異なる分野を横断する「万能な知識」がより重要視されるようになります。
メタバース開発は、3Dグラフィック、プログラミング、ネットワーク、AI、ユーザーインターフェース設計など、多岐にわたる技術要素を組み合わせるため、自然と幅広い知識が身につきます。
これは、まさに生成AI時代に求められる「ジェネラリスト」としての素養を養うことにも繋がります。
現在は、事務作業が主流で「真面目に生きていく」ことが重視される時代かもしれませんが、今後はメタバースのような「自由創造」が求められる時代へと変わっていくとされています。
ルーティンワークはAIが担い、人間にはより創造的で、複雑な問題解決能力が求められるようになるでしょう。
メタバース開発の経験は、この新しい時代の流れに乗り、自身のキャリアを大きく飛躍させるための強力な武器となり得るのです。新しい技術や概念を積極的に学び、未来を切り開くパイオニアとなる覚悟があるなら、ゲーム系メタバースは間違いなく狙うべき分野と言えるでしょう。
まとめ
確かに、ゲーム系メタバースへの転職は、決して簡単な道ではありません。
業界人気の高さ、UnityやUnreal Engineといった開発ソフトの難易度、そして細分化された専門職と高度なコミュニケーション能力が求められるため、「買い手市場」の傾向が強いのが現状です。



だがあきらめるのはまだ早い!
しかし、厳しいからこそ、この分野を狙う価値は十分にあります。
ゲーム開発で培われるプログラミングや3DCGのスキルは、個人での起業やフリーランスとしての活動にも繋がりやすく、非常に汎用性が高いのが特徴です。
また、ゲーム開発の知識は、一プレイヤーとしてゲームをより深く楽しむための視点を与えてくれます。
そして何より、メタバースはゲーム業界に留まらず、教育、医療、建築など、多岐にわたる分野での応用が期待されています。
特に、今後迎える生成AI時代においては、複数の領域を横断する「万能な知識」がより重要視されるでしょう。
メタバース開発を通じて培われる幅広い知識とスキルは、まさにこの新しい時代に求められる創造的な人材としての大きな武器となります。
現状は厳しくとも、将来性と可能性に満ちたゲーム系メタバースの世界。
もしあなたが新しい技術への探求心と、未来を切り拓く情熱を持っているなら、ぜひこの分野への挑戦を検討してみてください。あなたの情熱とスキルで、新しいゲーム系メタバースの世界を一緒に創り上げていきましょう!