2021年6月に発売されたGeforce RTX 30 seriesのGPU「Geforce RTX 3070 Ti」を紹介します。

なお!ここで紹介する、RTX 3070 Tiはデスクトップ向けです。
モバイル版とは全く別物ですので、くれぐれもお間違いがないようにご注意ください。
Geforce RTX 3070 Ti のスペック詳細
RTX 3070 Tiははたしてどのようなスペック構成になったでしょう。
RTX 3070 Tiのデータを細かく書いておいた他、 元になった下位モデルの RTX 3070、そして今後同じポジションにでてくる RTX 4070 Ti、先代のRTX 20seriesたちのモデルとスペックが近い RTX 2080 Tiとも今回入れておきました。


今回の見た感じでは RTX 3070 Tiはいかにもスペックが中途半端にしか上がってないのに価格上昇やなにより目につくのがTDPです。
RTX 3070と比較しても内容以上にもTDPが70w以上も上がっており、この時点でわっとパフォーマンスが悪いことが目に見えているでしょう。
RTX 3070 Tiのスペック①:「CUDA」GA104のモデルではコア数は微増、GA102モデルは削減


CUDA数は6144と、RTX 3070のGA104から256コアが増加し、フルスペックになったのと、GA102のフルスペックのRTX 3090 Tiの10752から約4割ほど無効になった構成モデルがあります。
この数字を見ても RTX 3070からみてもわずかにしか増えてないし、RTX 3080からかけ離れているためスペックアップにしてわずかにしか上げてないです。
RTX 3070 Tiのスペック②:コアは2種類、「GA104」と「GA102」がある
RTX 3080 10GBは採用しているコアがGA102というものを使っています。
先代のRTX 2080や更に前の GTX 1080がTU104やGP104を使っていたのでグレードアップされていることがわかり、あきらかに今回ではかなり性能面では強力と言えるものです。
チップの解説



「104」とか「102」の違いとかってなぁに?
コアの型番と名乗る「102」や「104」などの番号はNVIDIAがしている命名チップであり。
まず、上1桁の100の位は世代の意味をしており、基本的には使用する半導体の世代が交代することで第一世代である「100」でおわることが多いです。
実際に第2世代で使われたことがあるのはGeforce GTX 900世代とかが主に採用されています。
そして、中間の10の位は区別用という意味で使用されています。
最近の実例では RTX 20seriesと GTX 16seriesでは同じ Tuning世代ですが、それぞれレイトレ付き、レイトレ抜きだったので、これらを区別するためにレイトレ付きが「0」なしが「1」を使ってました。
最後の下1桁ではチップの最大サイズを意味をするものして命名されています。
基本的には低い数字のほうが上限が高いと思っても良いです。
なお、0~9があるが必ずしも全部が採用されたわけじゃなく、以下のように指定している。
- 0…データサーバー(旧ハイエンド)
- 1…未指定
- 2…スーパーハイエンド(GTX 10以降使用)
- 3…ハイエンド(RTX 30以降使用)
- 4…ハイクラス
- 5…ミドル+アルファ(但し一部のみ)
- 6…ミドルクラス
- 7…ロークラス
- 8…ローエンド(ただし最近は使用されていない)
- 9…スーパーローエンド(ただし最近は使用されていない)
このため今回の RTX 3080 10GBはGA102なので「スーパーハイエンド」という位置づけであることがわかる。
RTX 3070 Tiのスペック③:メモリは256bit、GDDR6X 8GB化
RTX 3070 Tiのメモリ構成は RTX3070と同じ 256ビットで、32ビットがメモリ1個であることから最大8個まで載せられます。
なお、使われるメモリはRTX 3080と同じ1GBモジュールのGDDR6Xが使われており、それを8個載せられることから、つまり合計8GBです。



と…なると、RTX 3070 Tiは RTX 3070のGDDR6Xに変身したモデルと言っていいのか・・・
RTX 3070 Tiのスペック④:はじめからマイニング制限
RTX 3070 TiはRTX 3060のあとに登場したため、FEも含めて最初からマイニング制限機能が搭載されています。
CUDA数や消費電力の割に、さらにマイニング制限機能があることからマイニングをしている人から見たらこのモデルは不味くて買いたくないと言えるためあまり買い手が多くないようです。
このためなぜかRTX 3070と比べても価格もそんなに大きく変わらないし性能も上位なので、しかもゲーム(高負荷な行為)するときだけ消費電力が高いのであまりしない人にはさほど消費電力は気にしなくても問題なさそうです。
RTX 3070 Tiの誕生経緯
RTX 3070 Tiが誕生した推測ですが GA104版、GA102版とともに出てきており、それぞれ状況は異なった理由で登場しています。
GA104版
GA104版ではCUDA数が6144がフルスペックでRTX 3070 Tiに採用されたものの、カット版の RTX 3070でも5888もあるため格差が小さく、とても599ドルでは価格設定に相応しくない。
一方でGDDR6Xメモリは上位モデルでは不適合なものがあり余る傾向だった。
そのために格差を広げるためとGDDR6Xメモリを有効活用に一応中間モデルに相応しいモデルへ
GA102版
GA102版は2022年に入って、マイニング需要が落ちたことからGPUの大量生産で余ってしまったことにより登場したものです。
なお、この年に入って最初のリリースが2年が経過するためそろそろ新型を時期的に導入したいことから、ハイエンドのRTX 3090やRTX 3080 Tiなどもモデルを一刻も早く処分したかった。
歩留まり率が高く問題なく使えるけど新型の登場したいし、そもそも価格が高すぎて売れないので、仕方なくスペックダウンしてまだ売れそうな RTX 3070 TiやRTX 3080として再利用した。
Geforce RTX 3070 Ti のベンチマーク①:3Dmark
gpu-monkeyからによる、3Dmarkのベンチマーク結果です。
ベンチマークの結果は18333で、先代のRTX 2080より1.7倍ほどとかなり大きく性能を伸ばしています。
その後の後継のRTX 4080はTiほどに値上がったくせに1.5倍ほどなので、このモデルが今でも魅力的なのがわかる数値です。


Geforce RTX 3070 Ti のPCゲーム結果①:APEX
戦闘ゲームでは有名なAPEXではFHDでは206FPS、WQHDでは154、4Kでは96FPSでました。
なお戦闘なため144FPSは欲しいため、WQHDぐらいが限界と言えそうです。


とはいえ4Kもそれなりに出ているため全くラグがあるとは言いにくいでしょう。
一方でRTX 3070や他の競合GPUと比較すると RTX 3070からは10FPSほど引き離されています。
とはいえ一方で上位モデルのRTX 3080と比較すると20~40も引き離されており、CUDA数で引き離されている点が大きいと言えそうです。
Geforce RTX 3070 Ti のPCゲーム結果②:サイバーパンク2077
重いゲームで有名なサイバーパンク2077は4Kがわずかに55FPSと足りない結果に、このへんはRTX 3080とかがシェアになる部分でしょう。
そしてやはり RTX 3070と比べてもあまり引き離されていないです。


Geforce RTX 3070 Ti のPCゲーム結果③:Microsoft Flight Simulator
ゲームの中でも最も重たいと言われているMicrosoft Flight Simulator 40thの結果です。
RTX 3080でもさえFHDで60FPSを超えられなかったので、異常に重たいことがわかりますが、RTX 3070に比例して僅かにしか増えてません。


一方で4Kの方は割りと踏ん張っており、RTX 3070と少し差が出ていることがわかります。
消費電力
消費電力は以下のような結果になった。


まず、待機電力では11Wでありハイエンドといえよう、かなり消費が低いことがわかる。
一方で ゲーム時の消費電力は298wで290wという数値は少し超えていることから、実際には300wほどと言えそうです。
また、ベンチマークの結果を見てのとおり、RTX 3070からわずかしかアップしてないのに消費電力は大幅に上がっているの
比較としてRTX 2080の212wから100w以上も引き上がっているだけじゃなく、上位のRTX 2080 Tiよりも50w以上も高いです。
そのため低いブレーカーや電源ユニットを選ぶ際は今回は気をつけていく必要があると言えそうです。
Geforce RTX 3070 Ti はどういった人向け?
Geforce RTX 3070 Ti は性能の高さからこれらの用途向いている。
ただし、同時期に登場したRTX 3080 Tiとは違い、メモリは8GBしかないため大容量を求める8Kは不適正、4Kもできなくもないけど最近のゲームはメモリがかなり多く消費するので足りないため妥協と言えるレベルでしょう。
フルHDゲーム | WQHDゲーム | 4Kゲーム | 8Kゲーム | 動画編集 |
---|---|---|---|---|
だいたいFHD~4K程度がおすすめで、レイトレに関してはやはりDLSSを入れたとしても60FPSに満たさないこともあったので、レイトレはWQHDまで、通常は4Kといったところでしょう。
Geforce RTX 3070 Tiの総合評価


総合評価は以下の通り。
RTX 3070 TiはRTX 3070のGDDR6X版という上位互換モデルだが、ワッパパフォーマンスが悪く中途半端です。
性能 | |
ゲーム評価 | |
レイトレ評価 | |
クリエィティブ評価 | |
消費電力 | |
価格 | |
全体評価 | |
評価ランク | A |
- 最近のNVIDIAの価格状況で見ると599ドルは格安と言える
- GDDR6X採用で高速メモリ。
- RTX 3070と価格があんまり変わらない、RTX TITANとほぼ同等性能
- スペックが少ししか伸びてないのに消費電力は非常に高い(290w以上)
- サイズが若干でかい
- 8GBしかないので4Kは厳しい
- DLSS3.0が使えない
RTX 3070 Tiは正直言えば中途半端です。
性能の伸びの割に100ドル高いし、なにより消費電力が恐ろしく高い。
一昔はマイニングの関係上、下位モデルのRTX 3070とくらべて制限があったことから、同額か下回る価格になっていました。
一時期はRTX 3070に代わってこのモデルがWQHDの主流になっており、実際にワッパは悪くとも半導体不足で買えないほうがよほど致命的であったため、ゲーマーからもこのモデルをお世話になった人も多いはずです。


ただ、現状はGPUの価格が落ち着きになっており、今となればRTX 3070が7万円を切りそして価格差も1万円もあることから買いのシーズンは過ぎ、現状の選択肢としてはないでしょう。
消費電力はモンスタークラスに高くなっていることや、RTX40シリーズで採用したDLSS3.0が使えないというところでは大きなデメリットと言えそうです。
ただしDLSS3.0は今のところは使えないが、今後のアップデート次第ではもしかしたら使えるようにはなるかもしれないです。



どうしてDLSS3.0が使えると思ったの?



過去の例で GTX 10seriesやGTX 16seriesがレイトレが未対応だったのがドライバーアップデートで使えるようになったからだな。
NVIDIAもRTX 30シリーズも早く処理したいというのもあるのでもしかしたらということ。
ただし今回は計算処理ということなので、対応ができない可能性もありえそうです。
仮に対応したとしても、過去の例みたいに性能発揮ができないというのもあるので、DLSS3をガチで楽しみたいならRTX 4090とかRTX 4080、あとは同価格になるかもしれない RTX 4070を待っておくべきでしょう。
おすすめ単品
現在は8万円前後にとどまっており、今後はNVIDIA次第では値下げをしてくるとは思いますが、今の状況では円安になっていることもありあまり期待はできなそうです。
なお、このモデルは簿記の記載上境界線がより多くなっているため価格に注意しましょう。
10万円を超えるか超えないかで消耗品費と備品に変わっていきますので、かならず購入価格を確認しておきましょう
このためほしいというタイミングで購入しておきましょう




Geforce BTO おすすめ
当面は併売状況なので、今でも発売されています。
基本的には圧倒的な安さであればFRONTIER、納期の早さであればドスパラ、コラボで楽しみたいならパソコン工房がおすすめです。


FRONTIER:FRGAGB550/WS1
圧倒的な省電力のRyzen 7 5700Xとの組み合わせでも、RTX 3070 Tiでも難なく動かすことが可能です。
とにかく省電力を求めているならこちらがおすすめです。
価格は20万程度で準ハイエンドにしては安いと言えるでしょう。