16コアに化けた12コアCPU Ryzen 9 7900X

  • URLをコピーしました!

9月27日に発売された、Ryzen7000seriesの中間モデル、Ryzen9 7900Xのスペック詳細していく。

目次

Ryzen 9 7900Xのスペック概要

Ryzen 9 7900Xのスペック詳細はこうである。
なお、Ryzen 9 7950XとRyzen 7 7700Xと違い競合商品はどの位置に当たるか不明だが、同じコア数のCore i7 12700Kあたりだろうか、それぞれ2種と比較

Ryzen 9 7900XRyzen 9 5900XCore i7 12700KCore i7 12700
コア数121212
(P8+E4)
12
スレッド数24242020
ベースクロック4.7GHz3.7GHzP:3.6GHz
E:2.7GHz
P:2.1GHz
E:1.6GHz
オーバークロック5.6GHz4.8GHzP:5.0GHz
E:3.8GHz
P:4.9GHz
E:3.6GHz
L1キャッシュ768KB
L2キャッシュ12MB6MB12MB12MB
L3キャッシュ64MB64MB25MB25MB
TDP170w105w125w65w
価格【ドル】549ドル549ドル419ドル349ドル
日本価格¥92.000¥49,000¥59,000¥50,461
発売日2022年9月27日2020年11月5日2022年Q1
楽天 Amazon Amazon

Ryzen 7000 series共通事項

Ryzen 7000seriesでは、先代と比較してこのように進化を遂げた。

Ryzen 7000Ryzen 5000Ryzen 4000
Ryzen 3000
Ryzen 2000Ryzen 1000
世代Zen4Zen3Zen2Zen+Zen
プロセス5nm7nm7nm12nm14nm
I/Oダイ6nm12nm
コア6~166~164~162~82~8
スレッド12~3212~328~324~164~16
CCX8?8444
TDP65~170w65~105w65~105w65~105w65~105w
L1キャッシュ1MB512KB512KB
L2キャッシュ1コア:1MB1コア:0.5MB
L3キャッシュ32,64MB16,32,64,96MB8,16,32,64MB8,16MB8,16MB
内蔵GPURDNA2搭載GのみVega搭載
それ以外なし
なしなしなし

Ryzen 3000series以来のプロセスルールが変化したのも大きい。
また、I/Oダイも変化し、小さいながらもL2キャッシュも1コア1MBに変わっていた。

更にRyzenでは今まで内蔵GPUなしが基本だったが、Ryzen7000seriesからはRDNA2のGPUを搭載した。
この内臓GPUは GTX 1050 Tiほどの性能があり一応マイクラ辺のゲームは遊べるほどの性能である。

Ryzen 9 7900Xの特徴1:スペック

前代のRyzen 9 7900Xと比較して引き続き12コアが採用された。
12コアと言えば、もう既にライバル関係に当たるインテルがCore i7として採用されたモデルである。
ナンバリングがRyzenは9、Core は7の時点で一見すれば見劣る。

中身はと言うと12コアでもRyzen 3000seriesは4つのCPUで組み合わせなのに、Ryzen 5000からは上位モデルのみ2つ体制になっている。
Ryzen 7000シリーズに関して今回は1つのCPUにせず今回も2つ入れた状態になった。

一方の周波数はRyzen 5000seriesと比較すると1GHzも上がっており、この時点でCore i7 12700Kよりも早いというのがうかがえる。

更にRyzen 9 7900XはオールPコアが12個に対し、Core i7はPコアが8個、Eコアが4つの体制になっており
Pコア全体でスペックが引き上がっているため、性能は間違いなく抜群な高速になったと言える。

Ryzen 9 7900Xの特徴2:価格とTDP

TDPは105wから170wへと大幅に引き上がった。
これにともなってクーラーを選ぶものをより考えて選ぶ必要がより強くなったと言える。

価格は以前のモデルが5900Xと同じく549ドルの据え置きであるが、価格は9万2000円までとかなり高い。
これは円安が主な原因だが、それにしても2倍近くな価格になると新しいCPUにするか考えてしまう。

Ryzen7000seriesは以前のモデルと互換性がなくマザーボードを入れ替えたりメモリも流用できない。
そうなっていくとコスト的に良いとは言えない。

Ryzen 9 7900Xと競合商品

Ryzen 9 7900Xの直接的な競合商品はないが、同じコア数であれば Core i7 12700Kが主になるだろう。
ただし価格面はCore i9 12900Kとほぼ同額なので、それの中間クラスに該当するだろう

Ryzen 9 7900XRyzen 9 5900XCore i9 12900KCore i7 12700KCore i7 12700
コア数121216
(P8+E8)
12
(P8+E4)
12
(P8+E4)
スレッド数2424242020
ベースクロック4.7GHz3.7GHzP:3.2Ghz
E:2.4GHz
P:3.6GHz
E:2.7GHz
P:2.1GHz
E:1.6GHz
オーバークロック5.6GHz4.8GHzP:5.2Ghz
E:3.9GHz
P:5.0GHz
E:3.8GHz
P:4.9GHz
E:3.6GHz

Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク

さて、スペックの方では悪くないものであるが、コア数がCore i7相当でスレッド数がCore i9という中間的ポジションなのはわかった。
しかし、周波数が早いため、実際の性能がどれくらいか?

今回はRyzen 9 7900Xの他に同時期に登場した他3種と、先代の5000seriesの、Ryzen 9 5950X/5900X、Ryzen7 5800X3D/5800X/5700X、Ryzen 5 5600X

競合相手のインテルのうちCore i9 12900KCore i7 12700K12700、Core i5 12600Kと12400、Core i3 12100と比較していく。

Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:シングルスレッド編

ベンチマークサイトCinebench R23 (Single-Core)での、結果はCore i9 12900Kを上回る性能

シングルスレッドは今回ではかなりいい結果を出せていることが証明した。

かつてのRyzen 9 5900Xと比較すると2割以上も向上している

Cinebench R23 (Single-Core)
Ryzen 9 7950X
2,072
Ryzen 9 7900X
2,041
Ryzen 7 7700X
2,010
Core i9 12900K
1,997
Ryzen 5 7600X
1,976
Core i7 12700K
1,939
Core i5 12600K
1,918
Core i7 12700
1,862
Core i3 12100
1,658
Core i5 12400
1,647
Ryzen 9 5950X
1,644
Ryzen 9 5900X
1,636
Ryzen 7 5800X
1,619
Ryzen 5 5600X
1,593
Ryzen 7 5700X
1,532
Ryzen 7 5800X3D
1,491

Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:マルチスレッド編

Cinebench R23 (Multi-Core)

Cinebench R23 (Multi-Core)ではCore i9 12900KどころかRyzen 9 5950Xをわずかながら上回ることに!

12コアでもかつてのRyzenから見れば18コア相当な、インテルだと20コア相当に近い性能(ただしEコア追加の場合)

Ryzen 7000ではRyzen 9 7950Xが一番の魅力的であるのは代わりはないが、Ryzen 9 7900Xでもなかなか味のあるCPUじゃないだろうか

Cinebench R23 (Multi-Core)
Ryzen 9 7950X
38,657
Ryzen 9 7900X
29,516
Ryzen 9 5950X
28,577
Core i9 12900K
27,472
Core i7 12700K
22,812
Ryzen 9 5900X
21,878
Core i7 12700
21,568
Ryzen 7 7700X
20,399
Core i5 12600K
17,660
Ryzen 5 7600X
15,315
Ryzen 7 5800X
15,228
Ryzen 7 5800X3D
15,003
Ryzen 7 5700X
13,802
Core i5 12400
12,344
Ryzen 5 5600X
11,201
Core i3 12100
8,443

Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:ゲーム性能

さて、ゲームの性能はどのくらいまで上がっているのか気になるところ。
今回は白黒が付きやすい4K画質を元に、RTX3080を搭載した結果である。

バトルフィールド5

バトルフィールド5では126FPSほどの結果に。

なぜかは不明だが、他のCPUと比較して下回る結果に。
おそらくこれはたまたま不調でそうなったかもしれない。
とはいえ、バトルフィールド5はCPUの依存率は低くあまり対して変わらないだろう。

バトルフィールド5
Core i9 12900K
130.2
Ryzen 9 7950X
129.3
Core i7 12700K
129.2
Ryzen 9 5950X
128.5
Core i5 12600K
128.5
Core i5 12400
128.4
Ryzen 9 5900X
128.2
Ryzen 7 5800X3D
128.2
Ryzen 7 5800X
128.1
Ryzen 7 5700X
127.9
Ryzen 7 7700X
127.8
Ryzen 5 7600X
127.4
Ryzen 5 5600X
127.2
Ryzen 9 7900X
126.5

Age of Empires Ⅳ

Age of Empires Ⅳでは完全にインテルに負けており、このゲームではインテルに最適化されているのがおわかりだろう。

ただ、先代のモデルに比較して格段にフレームレートは上げていることは間違いないので、改善されたのであろう。

あとはこのゲームタイトルがインテル最適な環境になっているのでAMDにも最適化すれば間違いなく強いはず。

Age of Empires Ⅳ
Core i9 12900K
102.3
Core i7 12700K
102.1
Core i5 12600K
100.6
Core i5 12400
99.3
Ryzen 7 5800X3D
98.9
Ryzen 7 7700X
98.4
Ryzen 9 7950X
98.3
Ryzen 5 7600X
97.8
Ryzen 9 7900X
97.7
Ryzen 9 5950X
94.4
Ryzen 9 5900X
94.1
Ryzen 7 5800X
93.2
Ryzen 7 5700X
93.2
Ryzen 5 5600X
91.9

Cyberpunk2077

Cyberpunk2077では、すでに頭打ちの結果に
全てのモデルにて40FPS止まりになっており、おそらくGPUに依存しているものと思われる。

Cyberpunk2077
Ryzen 7 5800X3D
40
Ryzen 9 5950X
39.9
Ryzen 9 5900X
39.9
Core i9 12900K
39.9
Core i7 12700K
39.9
Ryzen 7 5800X
39.8
Ryzen 5 7600X
37.8
Core i5 12600K
39.8
Core i5 12400
39.7
Ryzen 7 7700X
39.7
Ryzen 7 5700X
39.7
Ryzen 9 7950X
39.7
Ryzen 9 7900X
39.7
Ryzen 5 5600X
39.6

Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:クリエィティブ性能

 Adob​​e After Effects

Adobeのソフトウェアはどうなのか?
なお、Adobeのソフトは近年、GPUがエンコードに最適化されており、PhotoshopやPremier Proではあまり差がないことが判明したため、省略。

そこでCPUに依存しやすいafter effectsで比較。
このソフトはPremiere Proと同じ動画編集であるが、こちらはモーションやエフェクトを主に作成する高度な動画編集である。

結果的にはRyzen 9 7950XとRyzen 7 7700Xの中間あたりだが、Ryzen 7 7700Xとほとんど変わらない。

12コアであるのになぜあまり速度が出ないのかは不明だがおそらくCCXに関係しており、構成が6+6でつなぎ直すところが関わっているではないかと思われる。

 Adob​​e After Effects
Core i9 12900K
69.5s
Ryzen 9 7950X
77.2s
Ryzen 9 7900X
80.4s
Ryzen 7 7700X
80.7s
Core i7 12700K
84.6s
Core i5 12600K
85.3s
Ryzen 5 7600X
90.5s
Ryzen 9 5950X
97.8s
Ryzen 9 5900X
102.6s
Ryzen 7 5800X
103.8s
Ryzen 7 5800X3D
104.2s
Ryzen 7 5700X
109.6s
Ryzen 5 5600X
114.6s

Ryzen 9 7900Xの消費電力

消費電力ではTDPも上がっているために大幅上昇、Core i7 12700Kよりも悪い結果に。

とはいえ、Ryzen 9 7950Xと比較しても爆熱というほどまで行かず、ある程度熱処理の選択肢は多くできそう。




消費電力
Core i3 12100
136w
Ryzen 7 5700X
149w
Ryzen 5 5600X
149w
Core i5 12400
162w
Ryzen 7 5800X3D
192w
Core i5 12600K
217w
Ryzen 9 5950X
221w
Ryzen 7 5800X
225w
Ryzen 5 7600X
226w
Ryzen 9 5900X
242w
Core i7 12700
246W
Ryzen 7 7700X
257w
Core i7 12700K
279w
Ryzen 9 7900X
285w
Ryzen 9 7950X
355w
Core i9 12900K
371w

Ryzen 9 7900Xの評価

Ryzen 9 7900Xの評価としては「悪くないスペックだが価格が高すぎる」といったところ。

性能
ゲーム評価
クリエィティブ評価
消費電力
価格
全体評価
Ryzen 9 7900Xの悪いところ
Ryzen 9 7900Xの良いところ
  • 12コアで9万円は少し高い
  • TDPと消費電力が非常に高い
  • DDR4が対応しないため全体コスパが悪くなった。
  • 付属クーラーはつかない
  • AM4の互換性はなし(マザボ買い替え必須)
  • 待望の内蔵GPU付き!
  • 12コアであるが、5950Xを上回る
  • ゲーム性能には強い
  • AM5は2025年までサポートするためマザボ交換が長い間しなくて済む

まず、性能面はCore i7 12700KとCore i9 12900Kの中間点にすると思われるが、実際はCore i9 12900Kに匹敵するほど高性能であり、なかなか549ドルのCPUでもコスパは悪くないものと言える。

しかし、円安のせいでコストパフォーマンスに優れるものは消し去り、9万円という12900Kと何も変わらない高額なCPUに変貌してしまう。

今回のRyzen 7000seriesは全体的に微妙な評価であるが、Ryzen 9 7950XやRyzen 9 7900Xはコストパフォーマンス的に悪くもなく今回は下のモデルより上のモデルのほうが良いとされていて選択肢としてありだろう。

ただ、AMDはこれらの評価は第12世代に対して対抗をしてきたものされていて、第13世代まで考慮されておらず、今後の相手側次第では値下げをしてくる可能性は否定できない。

ということなので円安が収まるまでは買うのはもう少し待っておいたほうが良さそうである。

選択肢としてはあり!Ryzen 9 7900X、ただコスパで見ればRyzen 9 7950Xで良いかも!

Ryzen 9 7900X自体はコスパは今の時代12コア24スレッドでこの価格ではあまり良いものではないが、今回は16コアに迫る性能向上もあって選択肢としてありかもしれない。
ただ、登場したタイミングが円安であって日本人からすれば最悪な時期登場だ。

円安を無視してコスパ面で見たら、Ryzen 9 7900XよりRyzen 9 7950Xのほうが安く買える。
どちらを選んでも満足ができるのは買う人次第だ。

¥64,800 (2023/03/14 12:48時点 | 楽天市場調べ)


¥123,700 (2022/09/30 20:03時点 | Yahooショッピング調べ)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次