9月27日に発売された、Ryzen7000seriesの中間モデル、Ryzen9 7900Xのスペック詳細していく。
- https://www.techpowerup.com/review/amd-ryzen-9-7950x/
- https://www.techpowerup.com/review/amd-ryzen-9-7900x/
- https://www.techpowerup.com/review/amd-ryzen-7-7700x/
- https://www.techpowerup.com/review/amd-ryzen-5-7600x/
- https://www.cpu-monkey.com/ja/cpu_benchmark-cinebench_r23_multi_core-16
- https://www.cpu-monkey.com/ja/cpu_benchmark-cinebench_r23_single_core-15
Ryzen 9 7900Xのスペック概要
Ryzen 9 7900Xのスペック詳細はこうである。
なお、Ryzen 9 7950XとRyzen 7 7700Xと違い競合商品はどの位置に当たるか不明だが、同じコア数のCore i7 12700Kあたりだろうか、それぞれ2種と比較
Ryzen 9 7900X | Ryzen 9 5900X | Core i7 12700K | Core i7 12700 | |
---|---|---|---|---|
コア数 | 12 | 12 | 12 (P8+E4) | 12 |
スレッド数 | 24 | 24 | 20 | 20 |
ベースクロック | 4.7GHz | 3.7GHz | P:3.6GHz E:2.7GHz | P:2.1GHz E:1.6GHz |
オーバークロック | 5.6GHz | 4.8GHz | P:5.0GHz E:3.8GHz | P:4.9GHz E:3.6GHz |
L1キャッシュ | 768KB | |||
L2キャッシュ | 12MB | 6MB | 12MB | 12MB |
L3キャッシュ | 64MB | 64MB | 25MB | 25MB |
TDP | 170w | 105w | 125w | 65w |
価格【ドル】 | 549ドル | 549ドル | 419ドル | 349ドル |
日本価格 | ¥92.000 | ¥49,000 | ¥59,000 | ¥50,461 |
発売日 | 2022年9月27日 | 2020年11月5日 | 2022年Q1 | |
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Ryzen 7000 series共通事項
Ryzen 7000seriesでは、先代と比較してこのように進化を遂げた。
Ryzen 7000 | Ryzen 5000 | Ryzen 4000 Ryzen 3000 | Ryzen 2000 | Ryzen 1000 | |
世代 | Zen4 | Zen3 | Zen2 | Zen+ | Zen |
プロセス | 5nm | 7nm | 7nm | 12nm | 14nm |
I/Oダイ | 6nm | 12nm | |||
コア | 6~16 | 6~16 | 4~16 | 2~8 | 2~8 |
スレッド | 12~32 | 12~32 | 8~32 | 4~16 | 4~16 |
CCX | 8? | 8 | 4 | 4 | 4 |
TDP | 65~170w | 65~105w | 65~105w | 65~105w | 65~105w |
L1キャッシュ | 1MB | 512KB | 512KB | ||
L2キャッシュ | 1コア:1MB | 1コア:0.5MB | |||
L3キャッシュ | 32,64MB | 16,32,64,96MB | 8,16,32,64MB | 8,16MB | 8,16MB |
内蔵GPU | RDNA2搭載 | GのみVega搭載 それ以外なし | なし | なし | なし |
Ryzen 3000series以来のプロセスルールが変化したのも大きい。
また、I/Oダイも変化し、小さいながらもL2キャッシュも1コア1MBに変わっていた。
更にRyzenでは今まで内蔵GPUなしが基本だったが、Ryzen7000seriesからはRDNA2のGPUを搭載した。
この内臓GPUは GTX 1050 Tiほどの性能があり一応マイクラ辺のゲームは遊べるほどの性能である。
Ryzen 9 7900Xの特徴1:スペック
前代のRyzen 9 7900Xと比較して引き続き12コアが採用された。
12コアと言えば、もう既にライバル関係に当たるインテルがCore i7として採用されたモデルである。
ナンバリングがRyzenは9、Core は7の時点で一見すれば見劣る。
中身はと言うと12コアでもRyzen 3000seriesは4つのCPUで組み合わせなのに、Ryzen 5000からは上位モデルのみ2つ体制になっている。
Ryzen 7000シリーズに関して今回は1つのCPUにせず今回も2つ入れた状態になった。
一方の周波数はRyzen 5000seriesと比較すると1GHzも上がっており、この時点でCore i7 12700Kよりも早いというのがうかがえる。
更にRyzen 9 7900XはオールPコアが12個に対し、Core i7はPコアが8個、Eコアが4つの体制になっており
Pコア全体でスペックが引き上がっているため、性能は間違いなく抜群な高速になったと言える。
Ryzen 9 7900Xの特徴2:価格とTDP
TDPは105wから170wへと大幅に引き上がった。
これにともなってクーラーを選ぶものをより考えて選ぶ必要がより強くなったと言える。
価格は以前のモデルが5900Xと同じく549ドルの据え置きであるが、価格は9万2000円までとかなり高い。
これは円安が主な原因だが、それにしても2倍近くな価格になると新しいCPUにするか考えてしまう。
Ryzen7000seriesは以前のモデルと互換性がなくマザーボードを入れ替えたりメモリも流用できない。
そうなっていくとコスト的に良いとは言えない。
Ryzen 9 7900Xと競合商品
Ryzen 9 7900Xの直接的な競合商品はないが、同じコア数であれば Core i7 12700Kが主になるだろう。
ただし価格面はCore i9 12900Kとほぼ同額なので、それの中間クラスに該当するだろう
Ryzen 9 7900X | Ryzen 9 5900X | Core i9 12900K | Core i7 12700K | Core i7 12700 | |
---|---|---|---|---|---|
コア数 | 12 | 12 | 16 (P8+E8) | 12 (P8+E4) | 12 (P8+E4) |
スレッド数 | 24 | 24 | 24 | 20 | 20 |
ベースクロック | 4.7GHz | 3.7GHz | P:3.2Ghz E:2.4GHz | P:3.6GHz E:2.7GHz | P:2.1GHz E:1.6GHz |
オーバークロック | 5.6GHz | 4.8GHz | P:5.2Ghz E:3.9GHz | P:5.0GHz E:3.8GHz | P:4.9GHz E:3.6GHz |
Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク
さて、スペックの方では悪くないものであるが、コア数がCore i7相当でスレッド数がCore i9という中間的ポジションなのはわかった。
しかし、周波数が早いため、実際の性能がどれくらいか?
今回はRyzen 9 7900Xの他に同時期に登場した他3種と、先代の5000seriesの、Ryzen 9 5950X/5900X、Ryzen7 5800X3D/5800X/5700X、Ryzen 5 5600X
競合相手のインテルのうちCore i9 12900KとCore i7 12700Kと12700、Core i5 12600Kと12400、Core i3 12100と比較していく。
Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:シングルスレッド編
ベンチマークサイトCinebench R23 (Single-Core)での、結果はCore i9 12900Kを上回る性能
シングルスレッドは今回ではかなりいい結果を出せていることが証明した。
かつてのRyzen 9 5900Xと比較すると2割以上も向上している
Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:マルチスレッド編
Cinebench R23 (Multi-Core)
Cinebench R23 (Multi-Core)ではCore i9 12900KどころかRyzen 9 5950Xをわずかながら上回ることに!
12コアでもかつてのRyzenから見れば18コア相当な、インテルだと20コア相当に近い性能(ただしEコア追加の場合)
Ryzen 7000ではRyzen 9 7950Xが一番の魅力的であるのは代わりはないが、Ryzen 9 7900Xでもなかなか味のあるCPUじゃないだろうか
Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:ゲーム性能
さて、ゲームの性能はどのくらいまで上がっているのか気になるところ。
今回は白黒が付きやすい4K画質を元に、RTX3080を搭載した結果である。
バトルフィールド5
バトルフィールド5では126FPSほどの結果に。
なぜかは不明だが、他のCPUと比較して下回る結果に。
おそらくこれはたまたま不調でそうなったかもしれない。
とはいえ、バトルフィールド5はCPUの依存率は低くあまり対して変わらないだろう。
Age of Empires Ⅳ
Age of Empires Ⅳでは完全にインテルに負けており、このゲームではインテルに最適化されているのがおわかりだろう。
ただ、先代のモデルに比較して格段にフレームレートは上げていることは間違いないので、改善されたのであろう。
あとはこのゲームタイトルがインテル最適な環境になっているのでAMDにも最適化すれば間違いなく強いはず。
Cyberpunk2077
Cyberpunk2077では、すでに頭打ちの結果に
全てのモデルにて40FPS止まりになっており、おそらくGPUに依存しているものと思われる。
Ryzen 9 7900Xと比較ベンチマーク:クリエィティブ性能
Adobe After Effects
Adobeのソフトウェアはどうなのか?
なお、Adobeのソフトは近年、GPUがエンコードに最適化されており、PhotoshopやPremier Proではあまり差がないことが判明したため、省略。
そこでCPUに依存しやすいafter effectsで比較。
このソフトはPremiere Proと同じ動画編集であるが、こちらはモーションやエフェクトを主に作成する高度な動画編集である。
結果的にはRyzen 9 7950XとRyzen 7 7700Xの中間あたりだが、Ryzen 7 7700Xとほとんど変わらない。
12コアであるのになぜあまり速度が出ないのかは不明だがおそらくCCXに関係しており、構成が6+6でつなぎ直すところが関わっているではないかと思われる。
Ryzen 9 7900Xの消費電力
消費電力ではTDPも上がっているために大幅上昇、Core i7 12700Kよりも悪い結果に。
とはいえ、Ryzen 9 7950Xと比較しても爆熱というほどまで行かず、ある程度熱処理の選択肢は多くできそう。
Ryzen 9 7900Xの評価
Ryzen 9 7900Xの評価としては「悪くないスペックだが価格が高すぎる」といったところ。
性能 | |
ゲーム評価 | |
クリエィティブ評価 | |
消費電力 | |
価格 | |
全体評価 |
まず、性能面はCore i7 12700KとCore i9 12900Kの中間点にすると思われるが、実際はCore i9 12900Kに匹敵するほど高性能であり、なかなか549ドルのCPUでもコスパは悪くないものと言える。
しかし、円安のせいでコストパフォーマンスに優れるものは消し去り、9万円という12900Kと何も変わらない高額なCPUに変貌してしまう。
今回のRyzen 7000seriesは全体的に微妙な評価であるが、Ryzen 9 7950XやRyzen 9 7900Xはコストパフォーマンス的に悪くもなく今回は下のモデルより上のモデルのほうが良いとされていて選択肢としてありだろう。
ただ、AMDはこれらの評価は第12世代に対して対抗をしてきたものされていて、第13世代まで考慮されておらず、今後の相手側次第では値下げをしてくる可能性は否定できない。
ということなので円安が収まるまでは買うのはもう少し待っておいたほうが良さそうである。
選択肢としてはあり!Ryzen 9 7900X、ただコスパで見ればRyzen 9 7950Xで良いかも!
Ryzen 9 7900X自体はコスパは今の時代12コア24スレッドでこの価格ではあまり良いものではないが、今回は16コアに迫る性能向上もあって選択肢としてありかもしれない。
ただ、登場したタイミングが円安であって日本人からすれば最悪な時期登場だ。
円安を無視してコスパ面で見たら、Ryzen 9 7900XよりRyzen 9 7950Xのほうが安く買える。
どちらを選んでも満足ができるのは買う人次第だ。