Ryzen 7000seriesの商品、ハイクラス商品 Ryzen 7 7700Xの紹介評価をしていく。
Ryzen 7 7700XはRyzen 9 7950Xと同じ9月30日に発売されることになり、はたして先代のRyzen 7 5800Xや5700X、そして5800X3Dと何が変わったのか。
ただ、正直言えば、パッと見Ryzen 9 7950XやライバルのCore i7 12700Kと無印版と比較すると、ゲーマーが選択肢としてどうなのかなと実感が湧く。
Ryzen 7 7700Xのスペック概要
Ryzen 7 7700Xのスペックの詳細はこうである。
なお、比較として前代のRyzen 7 5800X3Dと5700X、ライバルのCore i7 12700Kと無印版、Core i5 12600Kの掲載した。
Ryzen 7 7700X | Ryzen 7 5800X 3D | Ryzen 7 5700X | Core i7 12700K | Core i7 12700 | Core i5 12600K | |
---|---|---|---|---|---|---|
コア数 | 8 | 8 | 8 | 12 (P8+E4) | 12 (P8+E4) | 10 (P6+E4) |
スレッド数 | 16 | 16 | 16 | 20 | 20 | 16 |
ベースクロック | 4.5GHz | 3.4GHz | 3.4GHz | P:3.6GHz E:2.7GHz | P:2.1GHz E:1.6GHz | P:3.7GHz E:2.8GHz |
オーバークロック | 5.4GHz | 4.5GHz | 4.6Ghz | P:5.0GHz E:3.8GHz | P:4.9GHz E:3.6GHz | P:4.9GHz E:3.6GHz |
L1キャッシュ | 512KB | 512KB | 512KB | |||
L2キャッシュ | 8MB | 4MB | 4MB | 12MB | 12MB | 9.5MB |
L3キャッシュ | 32MB | 96MB | 32MB | 25MB | 25MB | 20MB |
TDP | 105w | 105w | 65w | 125w | 125w | 125w |
オーバークロック | ||||||
価格【ドル】 | 399ドル | 449ドル | 299ドル | 419ドル | 349ドル | 299ドル |
日本価格【1ドル140円想定】 | ¥67,000 | ¥36,980 | ¥59,000 | ¥50,461 | ¥38,450 |
Ryzen 7 7700Xの特徴1:スペック
前代のRyzen 7 5700Xと比較して、今回も8コアのまま引き続き採用された。
8コアは2017年の第1世代からずいぶんと長らく採用しているため、あまり変わったような感じはしない。
しかし、第7世代のRyzen7000seriesから採用した内蔵GPU標準搭載はもちろんこのモデルにもついた。
RyzenのCPUはインテルと違いすべてPコアであるため、1コアあたりの性能は格段に上がっているのは間違いない。
そしてこれはRyzen 7000シリーズに共通するもので、AM4ソケットからAM5ソケットに更新。
以前のRyzen 5000seriesと互換性は今回からはなくなったため、マザーボードごと買い替えが必須だ。
ただし、AM5は2025年までサポートするためAMDの強みである互換性の長持ちは今回も引き継がれる。
Ryzen 7 7700Xの特徴2:価格とTDP(700番台と800番台どっちの後継なのか?)
型番は700番代を名乗っても、性能と価格面で見たら完全に実質800番代であり個人的にはRyzen 7 5700Xというより、Ryzen 7 5800Xの後継モデルである。
それはなぜかと言えば、Ryzen 7 5800Xでは価格、449ドルあるが、更に先代のRyzen 7 3800Xは399ドルだったためである。
Ryzen 7 7700Xと競合商品
ライバルのintelと比較するとCore i7は12コアで実に4コアも少ない、その下のモデルであるCore i5でさえ10コアで、価格は299ドルというとんでもない破格な価格であり、Ryzen 7 7700XはCore i5 12600Kよりも100ドルも高くコア数が2コアも少ないため、完全にコア数のコストパフォーマンスで見れば負けていると実感される。
ただ、AMDはコア数は維持しても、周波数が大幅に上げたうえで性能を引き上がっているため、1コアあたりの性能は間違いなく上がっていることであろう。
実際に先代のRyzen5000seriesでも3000seriesと同じように2コア少なくとも性能はほぼ同じということもあったので、性能面では周波数から見てもだいぶ上がっているかと。
ただ、価格面はどうしてもインテルに負ける。
まず8コアで399ドル、6万7000円は非常に高いとも言える、6万7000円で買えるものと言えばCore i7 12700Kが買えてしまう。
しかも、Core i7 12700Kは12コア、1.5倍のコア数なのでシングルスレッドはまだしもマルチスレッド面でのコスパはRyzen 7 7700Xでは最も弱点であろう。
Ryzen 7 7700Xと比較ベンチマーク
さて、スペックの方は紹介してきて、明らかにインテルに比べてコア数が少なくマルチスレッド面では不利なのはおわかりだろう。
ただ、Ryzen7000seriesは周波数を全体的に上げているのが売り、果たしてインテルの性能を超えるか。
今回はRyzen 7 7700Xの他に同時期に登場した他3種と、先代の5000seriesの、Ryzen 9 5950X/5900X、Ryzen7 5800X3D/5800X/5700X、Ryzen 5 5600X
競合相手のインテルのうちCore i9 12900KとCore i7 12700Kと12700、Core i5 12600Kと12400、Core i3 12100と比較していく。
Ryzen7 7700Xと比較ベンチマーク:シングルスレッド編
まず性能紹介でシングルスレッドではどのくらいか
ベンチマークサイトCinebench R23 (Single-Core)での、結果はRyzen 9 7950Xがトップ、続けてRyzen 9 7900X。
Ryzen 7 7700Xは3番手だが、それでも2000超え。
Core i9 12900Kよりも高速であり、シングルスレッドでは本物の速度といえよう。
前代と比較すると2割ほど性能があがり、かつてのAMDの弱点だったシングルスレッドはもう過去のもの。
ただしこの結果は第12世代とRyzen 第5世代と7世代のみで、インテルの次の第13世代になるとどうなっていくかわからないため最速なのは今のうちと言える。
Ryzen7 7700Xと比較ベンチマーク:マルチスレッド編
Cinebench R23 (Multi-Core)
Cinebench R23 (Multi-Core)では予想外な数値に。
8コアしかないのにCore i7 12700に迫る勢いなくらいのレベルを打ち出した。
Ryzen 7000seriesの強みとも言える1コアあたりの性能が格段と上がっているのをマルチスレッドでも反映されていることを確認できた。
ただ、価格の安い12700まで超えられないのが残念。
これはEコア4つ搭載付きなので、いくら性能を上げたとしてもコア数の強みには叶えられないだろう。
Ryzen7 7700Xと比較ベンチマーク:ゲーム性能
さて、gamesの性能はどのくらいまで上がっているのか気になるところ。
今回は白黒が付きやすい4K画質を元に、RTX3080を搭載した結果である。
バトルフィールド5
バトルフィールド5では128FPSほどの結果に。
順位的にCore i7 12700KどころかCore i5 12600Kでさえ下回る結果となっている。
ただ、最上位モデルのRyzen 9 7950Xと比較しても2FPSほどしか変わらない。
このゲームはインテルに対して若干の優位性があるじゃないかと思われる。
Age of Empires Ⅳ
Age of Empires Ⅳでは完全にインテルに負けており、このゲームではインテルに最適化されているのがおわかりだろう。
ただ、先代のモデルに比較して格段にフレームレートは上げていることは間違いないので、改善されたのであろう。
あとはこのゲームタイトルがインテル最適な環境になっているのでAMDにも最適化すれば間違いなく強いはず。
Cyberpunk2077
Cyberpunk2077では、すでに頭打ちの結果に
全てのモデルにて40FPS止まりになっており、おそらくGPUに依存しているものと思われる。
Ryzen7 7700Xと比較ベンチマーク:クリエィティブ性能
Adobe After Effects
Adobeのソフトウェアはどうなのか?
なお、Adobeのソフトは近年、GPUがエンコードに最適化されており、PhotoshopやPremier Proではあまり差がないことが判明したため、省略。
そこでCPUに依存しやすいafter effectsで比較。
このソフトはPremiere Proと同じ動画編集であるが、こちらはモーションやエフェクトを主に作成する高度な動画編集である。
意外な結果で、Core i7 12700Kよりも高速に。
Adobeってインテルに最適している傾向があって遅いかと思っていたが、そうでもなかった。
この結果はシングルスレッドの周波数と大きく関わっているじゃないかと思われる。
Ryzen7 7700Xと消費電力
消費電力ではCore i7 12700並までに増加されており、先代と比較すると100wほど増加していることがわかる。
Ryzen7 7700Xの評価
Ryzen7 7700Xの評価としては「これは買いじゃないな!」という言ったところ。
せめて値下げとかしないとインテルには完敗するところ
第12世代でさえこの状況なので、第13世代が出る、早々に値下げはされる可能性は高いかもしれない。
性能 | |
ゲーム評価 | |
クリエィティブ評価 | |
消費電力 | |
価格 | |
全体評価 |
まず、性能面では、ソフトウェア次第でCore i5 12600K~Core i7 12700Kとほぼ同等と言えるだろう。
ゲーム性能に関しても最上位モデルとあまり変わらないのは魅力的だ。
しかし、やはりコストパフォーマンスは最悪クラスであり、コスパ最強の700番台というより性能重視な800番台を700番代に持ってきたようなものだ。
価格でも399ドル、6万7000円は非常に高く、あと2万ほど出せばCore i9 12900Kを買えてしまうほどだ。
安く買うなら:Core i7 12700かCore i5 12600Kで良い。
8コアで6万7000円は今の時代、高すぎるため、基本的に同じ性能帯であればこの2つがおすすめ。
性能重視なら Ryzen 9 7950X!
Ryzen 9 7950Xは16コアでありながら、スペックは次回に出てくる第13世代でも見劣りしないため、Ryzenを選ぶならこのモデルの方がいい。