ブログを始めよう!と思い立ってレンタルサーバーを探し始めると、まず目につくのがストレージ容量の大きさではないでしょうか。
例えば、人気のレンタルサーバーを見てみると、
- ConoHa WING: ベーシックプランで 300GB
- エックスサーバー: スタンダードプランで 500GB
- ロリポップ!: ベーシックプランで 350GB
といった具合に、数百GBもの大容量が当たり前のように提供されています。
「大は小を兼ねる」と言いますし、容量が大きいのは良いことのように思えますよね。

「この容量、本当に全部使い切れるの?」
そう思ったことはありませんか?
何を隠そう、僕自身もブログを始めた当初は「容量は多ければ多いほど安心だ!」と考えていました。
しかし、長年ブログを運営してきた今、断言できることがあります。



ほとんどの個人ブログにとって、この容量は明らかにオーバースペック(過剰性能)だろ!
この記事では、なぜレンタルサーバーの容量がこんなにも大きいのか、そして実際に個人のブログ運営や趣味のサーバー利用でどれくらいの容量があれば十分なのかを、僕自身の経験も交えながら徹底的に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたはサーバーの容量の数字に惑わされることなく、自分にとって本当に最適なプランを選べるようになっているはずです。無駄なコストをかけず、賢く快適なブログライフをスタートさせましょう!
実際、ブログやマイクラサーバーに必要な容量ってどれくらい?
まず結論からお伝えします。
個人がレンタルサーバーを借りる主な目的である「WordPressでのブログ運営」や「Minecraft(マイクラ)のサーバー」なら、どちらも10GBもあれば十分に事足ります。



え、そんなに少なくて大丈夫なの?」
と不安に思うかもしれませんね。
では、具体的にどれくらいのデータ量になるのか、一つずつ見ていきましょう。
WordPressブログの場合
ブログのデータは、主に「テキスト」と「画像」の2種類で構成されています。
この記事もそうですが、ブログの文章データは実は非常に軽いです。
例えば、原稿用紙25枚分にあたる1万文字のテキストデータも、容量にするとわずか20KB(0.02MB)程度。



昔は文字ですら慎重にする必要なレベルなのに今となれば生成AIで出力し放題ですよね…
仮に毎日1万文字の記事を投稿し続けても、1年間で約7MBにしかなりません。
これは、スマホで撮影した写真1〜2枚分くらいの容量です。
画像: ブログの容量を左右するのは、間違いなく画像です。
高画質なデジタルカメラで撮影した写真などは1枚で5MBを超えることも珍しくありません。
しかし、ブログに掲載する際は、読者の表示速度を考慮して画像を圧縮するのが基本です。



そもそも1MBを超えるとストレス増えるパターンが多い
これを元に、1000記事投稿した場合の容量をシミュレーションしてみましょう。
【1記事あたりのデータ量】
- テキスト:20KB
- 画像:500KB × 5枚 = 2,500KB (2.5MB)
- 合計:約2.52MB
【1000記事投稿した場合の総容量】
- 2.52MB × 1000記事 = 2,520MB = 約2.5GB
どうでしょうか?毎日更新して3年近くかかる1000記事を投稿しても、使用する容量はたったの2.5GBです。
これに加えて、WordPressのシステム本体やテーマ、プラグインなどのデータも必要になりますが、これらを全部合わせてもせいぜい数百MB程度。
さらに、サーバー会社が提供してくれるバックアップデータを考慮しても、合計で10GBを超えることはまず考えられません。
つまり、ブログ運営においては10GBという容量は、十分すぎるほどの余裕を持った数字なのです。



これは余談だけど4年近く使っているサーバーでこんなもんだ。





え!?5GBぐらい!?
これはブログを3つ運営、他2つも持ったもので合わせたものだが、すでに500記事以上も運営していてこれなので、以下にいらないかわかる。
Minecraft(マイクラ)サーバーの場合
もう一つの代表的な用途が、友人や仲間と遊ぶためのマイクラサーバーです。
マイクラのサーバーで最も容量を食うのは、プレイヤーが冒険した軌跡がすべて記録される「ワールドデータ」です。
けどMODなどを入れていない、いわゆる「バニラ」の状態であれば、サーバーを立てた初期状態のワールドデータは1GBにも満たないことがほとんど。
そこからプレイヤーが探索範囲を広げていくにつれて、データは徐々に大きくなっていきます。
しかし、これも個人規模で遊ぶ範囲であれば、ワールドデータが10GBに達することは稀。



有名な佐山市でもさえ1.5GB程度。ぐらいらしく、あんなおおきな都会でもかなり軽いんだな
かなり広範囲を探索し、建築物をたくさん建てたとしても、数GBで収まるケースがほとんどでしょう。
もちろん、大規模なMOD(影MODや工業MODなど)を導入したり、大人数が参加するサーバーを運営したりする場合は、より多くの容量が必要になります。
それでも、個人で楽しむ範囲であれば30GBもあれば、まず困ることはないでしょう。
このように、個人がレンタルサーバーを利用する主要なケースのほとんどは、サーバー会社が提供している数百GBという容量を全く必要としていないのが実情なのです。
なぜレンタルサーバーはこんなに大容量なのか?



そもそもなんだけど、100GBでも十分そうなのに300GBとか500GBとか時には700GBとかそんなに多くあるの?
そこには、いくつかの理由が考えられます。
1. 法人・大規模サイトの利用を想定しているから
まずレンタルサーバーは、私たち個人のブロガーだけでなく、多くの法人企業も利用しています。



実は普通のレンタルサーバーやVPSでも法人契約は問題なくできるんだぜ



え?そうなの?



実際に小規模企業とかはビジネスまで必要じゃないケースも多く、普通のレンタルサーバーでもかなり高性能なんだ
それにあとは個人のマイクロ法人も少なからずいるだろうし



何が違うのかな?



実際に小規模企業とかはビジネスまで必要じゃないケースも多く、普通のレンタルサーバーでもかなり高性能なんだ
企業のコーポレートサイトやECサイトでは、以下のような個人利用とは比較にならないほどのデータを扱います。
- 膨大な数の商品画像データ
- 多数の社員が利用するメールアカウントの送受信データ
- 顧客情報や受発注データ
- 動画コンテンツの配信データ
こうした用途に応えるためには、数百GB、場合によってはそれ以上のストレージが必要になります。



しかも加えてそもそもブログの記事の投稿も個人に比べても明らかに多いし、見られることも多いからな
レンタルサーバー会社は、こうした法人ユーザーも取り込めるように、あらかじめ大容量のプランを用意しているというわけです。
そもそもレンタルサーバーって法人契約がもともと主流だったわけで個人契約が普及したのも副業が解禁したこのタイミングとつい最近のことなんですよね。


2. ストレージ(SSD)の価格が劇的に安くなったから
これが最も大きな理由かもしれません。
近年、データの保存に使われるSSD(ソリッドステートドライブ)の価格が、技術の進歩によって劇的に下落しました。



最近売られるSSDも512GB以上のものが多くなったような気が…?



昔はHDDとかあったが、最近は殆ど見なくなった
もちろんレンタルサーバーも例外じゃないよな?
ほんの数年前まで、1TB(1000GB)のSSDは数万円するのが当たり前でしたが、今では個人向けのものであれば1万円前後で手に入ってしまいます。
パソコンやサーバーで使われる、データを記憶しておくための部品のこと。昔主流だったHDD(ハードディスクドライブ)と比べて、データの読み書きがめちゃくちゃ速いのが特徴。おかげで、サイトの表示速度も速くなるんだ。
サーバー会社は、こうしたSSDを個人よりも遥かに安価で大量に仕入れることができます。
そのため、ユーザーに提供するストレージ容量を増やしても、コストへの影響が非常に小さくなったのです。



SSDの製造コストは実際に大容量になればなるほど安くなるというんだ。これはSSDをつくるための基盤のコストが意外とばかにならないからな
月額料金を据え置いたまま容量だけを増やすのは、サーバー会社にとって費用対効果の高い「顧客へのアピール」になります。
「他社と同じ値段なら、容量が多い方がお得に見える」というユーザー心理を巧みに突いているわけですね。
ただ、少し補足しておくと、サーバーで使われるSSDは、私たちが普段目にする個人向けの製品とは少し違います。
24時間365日稼働し続けることを前提とした、耐久性や信頼性が非常に高い「エンタープライズ向け」のものが使われることが多く、これは個人向けのものよりは高価です。
とはいえ、技術革新による価格下落の大きな波はエンタープライズ向けも同じ。
全体として「容量を増やしやすい環境」になっていることは間違いありません。
3.価格の単価下げを抑えるため



それにあともう1つは価格の単価を防止するためのも大きいぜ
企業の戦略で一番避けたいものといえば「単価の値下げ」
単価の値下げは短期的には利用者が増えていくものの、長期的に見れば利益が出なくなるため実は良くない戦略。いわば価格競争。
実際にこの価格競争によって会社が倒産する原因になっている
サーバー会社の多くはこういった値下げを防ぐため実は何年にもわたりスペックアップを繰り返しして価値の低下を防いで維持しています。



Xserverも2019年当時でも36ヶ月契約で月990円だった。
他のサーバーも同様で実は価格があまり変わってなかったりする
ただ近年はどんどんサーバーに限らずコンピュータースペックのインフレが増加していて、15年前は6コアCPUが最強でそれも10万円、今は1万円台からで購入できるのに性能は高いです。
というように競争がある世の中であるが、サーバーにおいてもPCのスペックにリリースに合わせどんどん新型化されるので以前使われたサーバーでは競合他社と比べても見劣るようになってきているのです。



昔はXserverとかConoha Wing、さくらのレンタルサーバー、エイブルネットぐらいしかなかったけど、ここ最近はいろんなサーバーがどんどん増えて競争が激化している。
ここ5年ぐらいでかなり増えた
じっさいに私が使用しているサーバーもこの4年で3回ぐらい新型サーバーの引っ越しを行っています。
もちろんだけどSSD容量もそうで、当時私が契約したスタンダードプランでもこの時点で200GB。



開始当時でも十分すぎる量ね…
それが時間が立つに連れ、300GB、そして今は500GBまでどんどん増えてきています。
アップグレードにおいてはサーバーの速度アップに恩恵がありWEBサイト速度はたしかに快適になりましたが、容量についてはそもそも使いきれなかったため余り意味をなしえませんでした。
個人なら100GBプランで十分すぎる!
さて、ここまでの話をまとめましょう。
- 個人のブログやマイクラサーバーなら、実際に使用する容量は多くても10GB〜30GB程度。
- サーバー会社が提供する大容量は、法人利用の想定とSSDの価格下落が背景にある。
これらの事実から、僕が導き出す結論はこれです。
よほどの理由がない限り、個人が選ぶべきレンタルサーバーのストレージ容量は100GBもあれば十分すぎる!



なんならフリーでも実は十分だったりするんじゃよ
300GBや500GBという数字は、一見すると非常に魅力的です。



普通のPCぐらいの容量はあるからね~
しかし、それはまるで一人暮らしを始めるのに、家族向けの巨大な冷蔵庫を買ってしまうようなもの。持て余すだけでなく、本来必要のないコストを支払っている可能性すらあります。
むしろ、サーバー選びで本当に注目すべきは、ストレージ容量ではありません。
サイトの快適性や安定性に直結する、以下のスペックの方が遥かに重要です。
- CPU: サーバーの「頭脳」にあたる部分。コア数が多いほど、多くのアクセスを同時に処理可能。
- メモリ: データを一時的に記憶しておく「作業台」のようなもの。容量が大きいほど、サーバーは安定して動作します。
- 転送量: サイトが表示されるたびにデータが転送される量の上限。これが少ないと、アクセスが集中した際にサイトが表示されなくなることがあります。
- Webサーバーの種類: 最近は「LiteSpeed」など、従来の「Apache」より高速なWebサーバーを採用しているサービスが増えています。
ストレージ容量という分かりやすい数字に惑わされず、こうしたサイトの性能に直結する部分をしっかりと比較検討することが、賢いサーバー選びの第一歩です。
最近では、より小規模なプランとして100GB前後の容量を提供しているレンタルサーバーも増えてきました。
もしあなたがこれからブログを始めるなら、まずはそうしたプランから検討してみるのが最も合理的で、コストパフォーマンスに優れた選択と言えるでしょう。
広すぎる土地は必要ありません。自分に合ったサイズの土地で、快適なブログという名の家を建てていきましょう。