VRAM(Video RAM)とは、パソコンの専門単語の一つでグラフィックカードの中にある、ビデオ専用の一時的に保管する場所のことを言います。
VRAMと普通のメモリとの違い
パソコンのマザーボードにあるメモリとの違いは以下のとおりです。
- ビデオに特化した高速なメモリ速度搭載した専用メモリが多い
- 直接取り付けており取り外しが安易にできなくメモリ規格も容量も変えられない
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まずメモリがそもそもどういった物なのか。
この黒い四角い部分がメモリとなっており、実際のサイズは1円玉より小さいほどです。

このためRAMの場合はメモリ単独として取り外しが可能な構造のためメモリ容量などを増やしたりすることができます(ただしスマホやタブレッドは不可)
一方でGPUにあるVRAMは直接取り付けているため一体化していることから容量や規格をカエルことができないのです。
VRAMに使われるメモリの種類
VRAMに使われているメモリは主に3種類です。
- GDDR型メモリ
- DDR型メモリ
- HBM型メモリ
GDDR型メモリ
GDDR型メモリはビデオカードに特化したメモリカードであり、メーカーが一番一番使われているものです。
DDR型メモリよりも価格は高くて速度は早い、HBM型メモリよりも安くて速度は同じくらいだがバス幅は狭いのが特徴です。
現在の主流はGDDR6というメモリが主流になっており、6は6世代目を意味しています。
更にGDDR6を極限まで速度を早めたGDDR6Xがあり、24Gpbsの高速なメモリ速度になる反面、消費電力が高くなるデメリットがあります。
また、古い世代のGPUにはGDDR5搭載があり、世代が古く、今では一部のローエンドクラスのGPUのみに使われているのみです。
DDR型メモリ
一般的なパソコンにあるマザーボードに使われているメモリをビデオメモリに流用したものです。
先ほどのGDDRメモリと比較すると転送速度は遅く、ローエンドモデルくらいしか使い道がないことからあまり商品としてみかけません。
最近はDDR4を使った GT1030やGT1010を最後です。
HBM型メモリ
HBM型メモリはスーパーハイエンド向けに信号速度を落とし、バス幅を大きく広げた、特殊用途に特化した高級メモリです。
面積もGDDR型に比べサイズが小さく実装面積を限られた中で大容量にしているのに向いています。
ただし、高度なメモリなので価格もかなり高く、まず一般向けのGPUに採用されることは少ないため、これらを見かけるのは限定的と言えるでしょう。
現在はHBM3が最新となっており、H100に既に採用されています。
VRAMの搭載基準

VRAMはRAMと違い、自力で交換したり、増やすことはほぼ不可能なので、GPUを買うときがポイントの一つといえるでしょう。
そんなVRAMでもGPUによって取り付けられる個数が決まっています。
それはメモリバスの大きさです。
VRAMを1個を乗せるためにはメモリインターフェイスが32ビット必要です。
メモリパス | 搭載できるメモリ | 1GBモジュール | 2GBモジュール |
---|---|---|---|
32bit | 1個 | 1GB | 2GB |
64bit | 2個 | 2GB | 4GB |
96bit | 3個 | 3GB | 6GB |
128bit | 4個 | 4GB | 8GB |
160bit | 5個 | 5GB | 10GB |
192bit | 6個 | 6GB | 12GB |
256bit | 8個 | 8GB | 16GB |
320bit | 10個 | 10GB | 20GB |
352bit | 11個 | 11GB | 22GB |
384bit | 12個 | 12GB | 24GB |
なお、一部のGPUではそれよりも倍に増やすことができる裏面搭載するGPUがあります。
VRAMが不足したときどうすればいいのさ!
結論から言えば、VRAMが不足しても基本的な動作には問題ありません。
不足していても、VRAMはあくまでビデオ用にメモリを足したものなので、基本的なデータ保存とかはRAMに保管されますが、ビデオゲームが処理が重く万が一足りない場合はその残りはRAMの方に回されます。
ただし、RAMのほうは基本的に速度が遅いのでフレームレートがどうしても落としてしまいます。
そのため、4Kなどの重いものに関してはできれば多くのVRAMが望ましいでしょう