
たいちゃん、大阪万博行ったんだって?なんで行こうと思ったの?



実は行く予定はなかったんだ。でも、ある理由があって行くことになった。
はじめに、私が大阪・関西万博に行った理由について、率直にお話しします。
正直なところ、当初は行く予定がありませんでした。
しかし、現在開発を進めている第2世代3DCGシステムが、メタバースを前提とした設計になっているため、現実世界での最新の展示技術や、人々の反応を直接確認する必要を感じたのです。
メタバースという仮想空間での体験を、現実世界の万博と比較検証することで、今後の開発方針をより明確にしたいという思いがありました。
以下、実際に足を運んで感じたこと、そして今後の展望について詳しく述べていきます。



収穫についてはまた別の記事で語ろうと思う。
メタバースというのが唯一のきっかけ


そもそも、私が万博に行く予定はありませんでした。
現在、第2世代3DCGシステムの開発に注力している最中です。
このシステムは、従来の3DCGとは一線を画し、メタバースを前提とした設計思想のもとに構築されています。
つまり、単なる映像やアニメーションではなく、インタラクティブな仮想空間での体験を、リアルタイムで共有・創造できるプラットフォームの開発が主眼となっています。
そのため、現実世界で開催される万博という、最新の展示技術やデジタル体験が集約されたイベントを、直接自分の目で確認する必要を感じました。
メタバースでの体験と、現実世界での体験を比較検証することで、どちらの方向性がより魅力的で、持続可能なのかを判断したいという思いがあったのです。
また、万博という場で、人々がどのようにデジタル技術と向き合い、どのような反応を示すのかを観察することも、今後の開発方針を決定する上で重要な情報になると考えました。



メタバースの研究のために行ったんだね。でも、実際に行ってみてどうだった?



正直、予想していたものとは少し違った印象だった。いくつか気づいたことがあるんだ。けどメタバースや3DCGについては今度触れようと思う。
EXPOで見て思ったことは?
実際に万博会場を歩いてみて、私が感じたことは多岐にわたります。
まず、全体的な印象として、1970年の大阪万博と比較すると、確実に変化している部分と、まだ発展途上にある部分が混在しているという印象を受けました。
以下、具体的に感じた点について詳しく述べていきます。
やはり盛り上がりが足りない?
1970年の大阪万博を経験した世代の方々からは、常に「混雑していた」「人で溢れていた」という話を聞きます。
確かに、当時の万博は、戦後の高度経済成長期を象徴するイベントとして、多くの日本人が未来への希望を抱いて集まった場所でした。
その混雑は、ある意味で「良い面」も多く、人々の熱気や期待感が、会場全体を包み込んでいたと言われています。
しかし、今回の万博では、そのような「混雑」や「熱気」を感じることは、正直なところ少なかったです。



前回のオリンピックもコロナと重なってか失敗でしたもんね・・・



やはり従来のやり方では限界が来たかもしれない。というのが私から見て思った。
主催者側は「並ばない万博」を謳っていましたが、実際には多くのパビリオンで長い行列ができており、その点では「並ばない」というキャッチフレーズと現実にギャップがあると感じました。
行列ができること自体は悪いことではありませんが、1970年のような「混雑が良い面をもたらす」という状況には至っていないのが現実です。
手順が多い
もう一つの印象として、万博を楽しむための「手順」が非常に多いと感じました。
事前予約が必要なパビリオン、アプリでの整理券取得、入場時のセキュリティチェック、そして各展示での説明や案内など、来場者が体験を楽しむまでに、多くのステップを踏む必要があります。
これは、現代のイベント運営においては当然のことかもしれませんが、1970年の万博と比較すると、確実に「手間」が増えていると言えるでしょう。



確かにめんどくさいねあれは・・・昔の万博はもっとシンプルだったのかな?



1970年はもっと直感的だったというよりそれ以上だったかも。今は安全や効率を重視するあまり、複雑になっている面があるね。
わかりきったことが多く、SNSやメタバースが悪さをしている
実際に多くのパビリオンを見て回りましたが、正直なところ「YouTubeで見れば十分」と感じる展示が多かったのも事実です。



たしかにすぐに情報が回る。
行くまでSNSとか見ないほうが良いかも。



せっかくの体験が失うからな。
できる限り見ないほうが良い。
もちろん、シンガポールや企業のパビリオンのように、実際に体験しないと分からない、インタラクティブな要素が充実した展示も存在します。
しかし、多くの展示は、事前にSNSや動画配信で内容が詳細に公開されており、来場者にとって「新発見」が少ない状況になっていました。



しかも実際にね、1回行けば十分であるのが本音だ。
これは、現代の情報化社会の特徴でもありますが、SNSやメタバースが「事前情報の過剰な共有」を促している面があると言えるでしょう。
来場者が「知っている情報」を確認しに行くだけでは、万博の本来の魅力である「発見」や「驚き」が薄れてしまいます。
この問題は、今後の万博や類似イベントにおいて、重要な課題となるでしょう。
けど転換期だと思っている
しかし、今回の万博を否定的に捉えるだけでは、その本質を見失ってしまう可能性があります。
私が感じたのは、今回の万博は「発展」ではなく「転換期」に差し掛かっているのではないかということです。



???
国のパビリオンは、従来通り文化や伝統を中心とした展示が多く、SNS情報の影響で以前と比べて大きな進化は見られませんでした。
しかし、企業のパビリオンでは、デジタル技術やインタラクティブな体験を積極的に取り入れ、かなり力を入れていることが分かりました。
この違いは、国と企業の「変化への対応力」の差を表していると言えるでしょう。
つまり、今回の万博は、従来の「国主導」から「企業主導」、そして将来的には「個人主導」への転換点にあるのではないかと私は考えています。
この転換は、万博の在り方そのものを変える可能性を秘めており、非常に興味深い現象だと言えるでしょう。
将来:Expoとかはこれから仮想世界、個人出展へ変わる
今回のEXPOは転換期を迎えるようなもので、おそらく1970年のようなことはもう二度とこないとされています。



じゃあ、これからの万博はどうなるの?全然違うものになるの?



そう、根本的に変わっていくと思う。特に、土地の問題と個人の台頭が大きな要因になるね。
なぜそうなるかであるが・・・
土地がそもそももうない
まず、EXPOにおいて大きな問題はやはり土地というそのものに限界が迎えていると言えるかもしれません。



そういえばなんで万博はこんな不便なところに置かれたのか・・・



まあこれは単純に土地がないのが理由だ。
1970年の大阪万博が開催された当時、大阪はまだ多くの畑や空き地があり、大規模な会場を建設するための十分な土地が確保できました。
しかし、2025年の現在、大阪や他の地方都市とかは都市化が進み、半分しか面積が確保できませんでした。
更に大きくするために、新たに大規模な土地を確保するためには、埋め立てや既存施設の大規模な再開発が必要な状況です。
この「土地の制約」は、今後の万博の在り方に大きな影響を与えるでしょう。
物理的な空間に制約がある以上、従来のような「巨大な建物や施設」を中心とした万博は、持続可能ではなくなってきています。
この問題を解決するためには、物理的な空間に依存しない、新しい形態の万博を考える必要があります。
個人メイン最盛期になっている
次に次回のEXPOは個人主体というものになるが、これは日本の歴史を振り返ると、明治維新以降、約80年ごとに大きな革命が起きていることが主な理由です。
160年前の明治維新は「国主体」の革命、80年前の戦後復興は「企業主体」の革命、そして現在は「個人主体」の革命の最盛期に差し掛かっていると言えるでしょう。
この「個人主体」の時代においては、従来の「国」や「企業」が主導するイベントよりも、「個人」が自由に表現し、創造できる場の重要性が高まっています。
万博も例外ではなく、個人の創造性や表現力を最大限に活かせる場として、再定義される必要があるかもしれません。
国のパビリオンは国民が主役に
現状のEXPOは、運営に莫大なお金がかかっていることが問題視されており、もう少しお金が安くできなかったのかという声があります。



もっといえばEXPO開催する金があるなら国民を豊かにしろというものなんだな。
また、中間業者や既得権益に対してお金が集中して取られており、実際の運営費に上手く反映されていないという声が多く挙げられています。
そのため、不正使用や押しつけを防ぐため、今後はDAO(分散型自律組織)による運営に移行するとされています。



おそらくだけど会社はなくなると私は見ている



そうなの!?
DAOは、ブロックチェーン技術を活用し、透明性と公平性を確保しながら、参加者全員で意思決定を行う組織形態です。
これにより、従来の中央集権的な運営体制から脱却し、より民主的で効率的な運営が可能になると期待されています。
企業のパビリオンは今の大物Vtuberか開発者へ
なぜ今の大物Vtuberや開発者が主役になるのかというと、これは予想が全くつかないからです。
大物Vtuberは、おそらく推し活文化の国のようなものを中心とした展示を行うことになるでしょう。
彼らは、ファンとの強い絆や、独自の文化を築き上げてきた経験を活かし、新しい形のエンターテイメントを提供できる可能性があります。一方、開発者は新型の技術をメインとした展示を行うことになります。
彼らは、最新のテクノロジーを駆使し、未来の可能性を具体的に示すことができるでしょう。
コモンズ棟はコミケのようになっている
個人出展するところがかなり出てくるのではないかと予想されています。
コモンズ棟は、従来の企業や国のパビリオンとは異なり、個人や小規模なグループが自由に展示できる場として機能する可能性があります。
これにより、コミックマーケットのような、個人の創造性が爆発的に発揮される場が実現できるでしょう。個人のアイデアや作品が、世界の人々に直接届く機会が増え、より多様で魅力的な展示内容が生まれることが期待されています。
建物じゃなくワールド単体になるかも


これまでパビリオンは建物で行われてきましたが、今後はおそらくワールド単体になります。
つまり、物理的な建物ではなく、メタバース内の仮想空間として、パビリオンが構築されるということです。



やっぱ限られたスペースより、思う存分無限大に広がっていくものがみたいよな!
これにより、来場者は現実世界から仮想世界へとワープし、無限の可能性を秘めた展示空間を体験できるようになります。
物理的な制約がないため、より壮大で創造的な展示が可能になり、個人でも十分に魅力的なパビリオンを出展できるようになるでしょう。
あとは今回できなかった混雑緩和もメタバースであれば気にする必要がないのもメリットの1つかもしれません。
建物や設備さえなければ個人でも可能
現在の万博では、パビリオンの出展は国や大企業に限られています。
これは、物理的な建物や設備の建設に莫大な費用がかかるためです。



そもそもカネがないと参加できないからそりゃ当然!
しかし、メタバースという仮想空間を活用すれば、個人でも十分に魅力的なパビリオンを出展することが可能になります。



建物とかもタダだもんね~!



2080年頃なんてサーバーとかはもうとっくに無限大になっているだろ。寿命も長くなってきているし。
物理的な制約がない分、個人のアイデアや創造性を、より自由に表現できるようになります。
また、建設費や維持費も大幅に削減できるため、より多くの人が参加できる場として機能するでしょう。
この「個人参加型」の万博は、従来の万博にはない、新しい魅力と可能性を秘めていると言えます。
まとめ



たいちゃん、万博に行ってみて、何か変わったことある?



うん、開発の方向性がより明確になった。メタバースの可能性を再確認できたね。
今回の大阪・関西万博への参加を通じて、私は多くの気づきを得ることができました。
まず、メタバースという技術が、今後の万博や類似イベントにおいて、非常に重要な役割を果たす可能性があるということです。
物理的な制約や、国・企業中心の運営体制を打破し、個人の創造性を最大限に活かせる場として、万博を再定義できる可能性があります。
また、今回の万博が「転換期」にあるという認識は、今後の開発方針を決定する上で、非常に重要な指針となりました。
従来の「発展」を目指すのではなく、「転換」を前提とした設計思想で、第2世代3DCGシステムの開発を進める必要があると感じています。
最後に、個人の時代における万博の可能性について、より具体的なビジョンを持つことができました。
メタバースを活用した「個人参加型万博」は、従来の万博にはない、新しい価値と体験を提供できる可能性を秘めています。この方向性で開発を進めることで、より多くの人々が、自由に創造し、表現できる場を提供できるのではないかと考えています。
今回の万博への参加は、私にとって非常に貴重な経験となりました。
現実世界と仮想世界の両方を体験することで、今後の開発方針がより明確になり、メタバースの可能性を再確認することができました。これからの開発において、この経験を活かし、より魅力的で持続可能なシステムの構築に取り組んでいきたいと思います。