新しいグラフィックボード(GPU)を選ぶとき、CPUやメモリと同じくらい重要なのがVRAM(ビデオメモリ)です。
しかし、GPUのラインナップを見ると色々な容量があって、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。

「ゲームをしたいけど、何GBあれば足りるの?」



「動画編集やAIに興味があるけど、どのくらい必要?」
今回は、現在の市場で販売されているGPUのVRAM容量を、それぞれの特徴と最適な用途を交えて、分かりやすく解説していきます。



まだVRAMを見てない方はそちらから見てな!


4GB
現在、この容量は「RX 6500 XT」や「RX 6400」、そしてノートPC向けの「RTX 3050」「RTX 2050」といったモデルで使われています。
結論から言うと、このクラスは正直なところ、使い物になりません。



衝撃なのは11年前のGTX 980とかこの容量だったんだぞ!



11年前のハイエンド、そして今はローエンド以下…
最新のゲームはもちろん、少し前のタイトルでも設定をかなり下げないと快適にプレイするのは難しいでしょう。
このレベルのGPUを選ぶくらいなら、CPUに内蔵されている統合型グラフィックスの方が、かえって効率が良い場合もあります。
これからPCを組むなら、まず選択肢から外すべき容量です。
6GB
「RTX 3050 6GB」など、特定のモデルにのみ存在する容量ですが、これもあまりおすすめできません。



このRTX 3050 6GB…ほぼGTX 1060 6GBをレイトレしたようなものだぞ!(衝撃なのは2024年登場)
現代のゲームは、テクスチャやモデルのデータ量が非常に大きくなっています。
最低でも8GBのVRAMがないと、最新のタイトルをフルHD(1920×1080)でもまともにプレイするのは厳しいでしょう。
『マインクラフト』や『フォートナイト』など、昔からあるメジャーなゲームはプレイできますが、それ以上のことを求めるのは難しいです。
8GB
今から10年以上前の「GTX 1080」から存在する容量ですが、現在でも「RTX 5050」や「RTX 5060」、「RX 9060 XT」など、多くのミドルレンジGPUで採用されています。



しかも驚くのはRTX 5070 Laptop…なんとGTX 1070の頃からずっと8GBという。10年も変わってない。
しかも256→128bitになっているので進化どころか退化している。
ゲームをするなら、最低限ほしいクラスの容量です。
フルHDであれば多くのゲームをプレイできますが、最新のゲームを高画質で楽しむのは厳しい状況が多いでしょう。
クリエイティブ用途については、比較的軽量なゲーム開発や動画編集なら可能です。また、4K動画のエンコードなど、特定の作業では十分使い道があります。
10GB
「Arc B570」や、かつて販売されていた「RTX 3080」で使われていた容量です。
鉄道では10という数字は当たり前だが、パソコン業界は中途半端で12GBや8GBのGPUが多いため、採用例は少ないです。
同じ10GBでも、「RTX 3080」はメモリバスが320ビットと非常に広く、性能が高い一方で、「Arc B570」は160ビットと、モデルによって性能差が大きく出ます。



もちろんだけど前者のほうが性能が高性能よ
12GB
現在、エントリークラスでは最も主流なメモリ容量です。
「RTX 3060」や「RTX 5070」、「Arc B580」などで使われています。



ちなみに、Nintendo Switch 2もこの容量です。
最新のゲームや、生成AIをローカル環境で動かすなら、最低でもこの容量はほしいところ。
昔ハイエンドだったので4Kを選ぶならこのモデルであったが、現在のところは重くなって4Kゲームは厳しい。
けど、フルHDやWQHD(2560×1440)の解像度であれば、多くのゲームを快適にプレイできます。
ゲーム開発も、この容量あたりから少しずつ余裕が出てきます。
16GB、18GB
2025年現在、最も主流なメモリ容量です。



PS5と同じ容量。
16GBは「RTX 5060 Ti」「RTX 5070 Ti」「RX 9070 XT」で、18GBは今後登場する「RTX 5070 Super」などで採用されています。



16GBはわかるけど、なんで18GB?
なんか中途半端じゃない!?



これは1枚あたりのメモリ容量が異なり、前者は2GBモジュールを8枚、後者は3GBモジュールを6枚でできる。
VRAM容量は2GBしか違いませんが、メモリバスが128bit、192bit、256bitとモデルによって大きく異なるため、同じ容量でも性能差は大きいです。
4Kでゲームをプレイするなら、最低でもこの容量はほしいところです。
ただ、現状のゲームでは最高の画質設定で快適にプレイするには、24GBくらいはほしいですね。
また、この容量あたりから、クリエイター向けの「NVIDIA RTX Pro」シリーズが登場し始めます。
20GB
「RX 7900 XT」や「RTX 4000 Ada」で使われる容量です。
320bitや160bitなど、メモリバスの構成が異なるため採用例は少なく、次の24GBが主流です。
このあたりになると、4Kゲームでも余裕が出てきます。
24GB
「RTX 4090」や「RX 7900 XTX」、そして「RTX Pro 4000」で採用されている容量です。
また、ノートPC向けの「RTX 5090 Laptop」でも使われています。
現在、4Kでゲームをするなら標準的にほしい容量です。
長らくこの容量が最上位モデルに採用されており、「RTX TITAN」から「RTX 4090」まで、この容量が最上位でした。



これわかんない人に説明すると6年も最上位が24GB時代だったんだぜ!



6年も!?なんでずっと変わらなかったんだろう



まあ2018年当時はメインは8GB主流で、2020年には12GB、2022年には16GBが主流で動かなかったんだ。
ちなみに構造的に48GBも作れるそうだが、まあ量が多すぎてやらないだろうな
この大容量のおかげで、3DCG関連のゲーム開発や3DCAD、生成AIにも広く使われています。
しかし、最近はAIの進化や3DCGの複雑化により、この容量でも足りないと感じることが増えてきました。
32GB
コンシューマー向けでは、現状最上位の容量です。
「RTX 5090」が初めて採用しました。



32GBって今のゲーミングPCのメモリ容量と同じぐらいだよね。



そう!高級なビデオメモリを32GBも贅沢に使っているからいかに高いかわかる。
これまでも「RTX Pro」シリーズで採用されていましたが、いずれも非常に高価で、気軽に手が出るモデルではありませんでした。
ゲームにおいては、24GBとの体感差はほとんどなく、どちらかというと生成AIやクリエイティブな作業で真価を発揮します。



NVIDIAやAMDが24GB以上出さなかったのは…意味がなかったということなのかな…



まあ実際に今でも24GBでもゲームにおいては持ち腐れになっているほどだ。
48GB、64GB、96GB
これらの容量は、「RTX Pro」シリーズなど、企業向けのモデルにのみ採用されています。
ゲームをプレイするためには、はっきり言って無用な長物です。
しかし、ゲーム開発や大規模なAIの学習など、超ヘビーな作業には非常に役立ちます。



熱狂な生成AIな方ならもちろんRTX Pro 6000を買うよな!?





そんな価格。個人だと…誰も買わないとは思いますよ…
Proって書いてあるので企業用よね…
まとめ
今の時代、用途によって最適なVRAM容量は大きく異なります。
- 普段使いや軽いゲームなら、8GBでも大丈夫。
- 最新ゲームや生成AIを試したいなら、12GBはほしい。
- 4Kゲーミングやクリエイティブな作業なら、16GB~24GBがおすすめ。
- プロのクリエイターや本格的なAI開発なら、32GB以上を検討しよう。
自分の使い方に合わせて、適切なVRAM容量を選び、快適なPCライフを送りましょう。