YouTubeやブログといった個人が活躍する場が増える一方で、Vtuberの世界は「既得権益」による格差が際立っています。
企業所属のVtuberや、すでに知名度のある転生組が圧倒的に有利な状況が続いており、これからVtuberを目指す人にとっては非常に厳しい現実があります。
この構造は、決して個人の努力が足りないや企業が守られているという理由からではありません。
むしろ、業界の仕組み上、必然的にそうなってしまうのです。
この厳しい現実を理解することで、あなたが今後Vtuberとしてどう活動していくか、冷静に考えるきっかけになれば幸いです。
企業勢が圧倒的に有利な理由
なぜ、企業所属のVtuberがこれほどまでに優位なのでしょうか。
その理由は、個人では到底太刀打ちできない「資本力」と「組織力」にあります。
資本力が圧倒的に多い
企業は、個人が稼ぐ収入とは比べ物にならないほどの資金を持っています。
有名クリエイターに依頼してハイクオリティなキャラクターデザインや3Dモデルを制作できます。
しかもこれは、見た目の第一印象が非常に重要なVtuberの世界において、最大の武器となります。
また、すでに人気のある「転生組」のVtuberも、前世で得た潤沢な資金を使って、企業勢と遜色のないクオリティのモデルを制作できます。
この時点で、個人Vtuberはスタートラインにすら立てていないと言っても過言ではありません。

まずこの時点で無理ゲーじゃん…!



そうだからある意味Vtuberってマネーゲーに近いものなのよ。



ある意味お金の世界の一種なのね…
かかる費用が段違い
Vtuber活動には、初期費用からランニングコストまで、様々な費用がかかります。
企業勢の場合、活動に必要なPCや機材はすべて企業が負担してくれることがほとんど。
さらに、スポンサーから提供される商品もあるため、ライバーは費用をあまり気にせず活動に集中できます。



しかももう1つ忘れちゃいけないのは経費として計上できるという点。これで税金を抑えられるというメリットが有るということさ(でも高いから資産計上してそう)



あらジュリアちゃんも会計知っていたとは…13なのに…
それでどんどん使えるのね…
一方、個人Vtuberは、配信用のPCやマイク、ウェブカメラ、そして3Dモデルを動かすための高性能な機材まで、すべて自費で購入しなければなりません。



でもそれなら個人でも同じじゃん!



一応ね。でも個人の場合は収入がほぼないことが多いからむしろ損だけなのよ(あるなら別だけど)



あ・・・
全身を動かす3Dモデルを扱う場合、広い部屋も必要となり、そのコストは膨れ上がります。


収入源が多い
企業勢の収入源は、個人とは比べ物になりません。
スーパーチャットやメンバーシップといったYouTubeからの収益だけでなく、企業案件、グッズ販売、ライブイベント、そして所属事務所の上場による**「資本増加」**も見込めます。
特に、株式上場は、クラウドファンディングでは到底得られない規模の資金調達を可能にします。
これにより、企業はさらに大規模な投資を行うことができ、個人との格差はますます広がっていきます。
固定客が多い傾向
Vtuberは、アイドルやアーティストに似ており、「推し」の要素が非常に強いのが特徴です。
そのため、一度ファンになると、そのライバーを熱心に応援する固定客が多くなります。
これは、エンターテイメント性や情報提供がメインとなるYouTuberやブロガーと比べて、流動性が低いことを意味します。
Vtuber業界はすでに多くの固定ファンに支えられているため、これから参入する個人がファンを獲得するのは非常に困難です。
広告という最終兵器
企業は、潤沢な資金を使って、広告という最終兵器を惜しみなく使います。
YouTubeやSNS広告はもちろん、東京の駅構内や電車内といった大規模な広告を打つことも珍しくありません。



最近だと駅一面に広告を出していたのを見たなぁ…
転生した個人Vtuberも広告を出しますが、企業のプロモーション費には遠く及びません。
駅や車内広告は、小さなものでも100万円以上かかることが多く、個人の財力では継続的な出稿は困難です。



会社の場合は生活に直結しないけど、個人の場合は生活に直結するからそれが難しい!
ライバーがそもそも多すぎる
またそもそも人気であるためVtuberのライバーの数自体がかなり多いです。
まず大手Vtuber事務所であるホロライブやにじさんじだけでも、所属ライバーは200人を超えます。



この時点で把握するのが難しい…



ホロライブは50人ぐらいだからガチ勢なら全員覚えられそうだけど、にじさんじとか多いから全員名前知っている人とか少ないと思うよ。
さらに、中小企業や個人ライバーを含めると、2025年2月時点で約7万人ものVtuberが存在すると言われています。



意外とそこまで多くない??



これは情報が把握したものを推定したものなので、実際にはそれ以上いると思うよ。
この膨大な数のライバーの中から、無名の個人が視聴者の目に留まるのは、宝くじに当たるようなものです。
YouTubeやブロガーとの違いは?
では、YouTubeやブログといった他のメディアではどうなのでしょうか?
YouTuberやブロガーは、「流動性が高い」という大きな特徴があります。
YouTuberは、視聴者が動画を観る目的が「面白いコンテンツ」「役立つ情報」であることがほとんど。



前者はともかく、後者はまあ固定客はあんまりいないね
「推し」という要素はVtuberに比べて薄く、コンテンツの質が良ければ、チャンネル登録者数が少なくても視聴者は増えていきます。
ブロガーも同様で、読者は「知りたい情報」を求めてサイトを訪れます。ファンで訪れる人は皆無に等しいでしょう。



これは聞いた話だけど、意外と企業からすればあまり大きく儲からないからそこまで大きく手をつけていないそう。



え?そうなの?



とくにニッチなジャンルは企業からすれば苦手だしね。
そして、どちらもコストが非常に低いという共通点があります。
ブログなら年間数千円、YouTubeならスマートフォン一つあればすぐに始められます。
Vtuberに比べて敷居が低く、挑戦しやすいのが大きな違いです。



後もう1つ大きいのはお金をかけたとしても実は費用対効果はうすいということ。



というと?



流動性が大きいし、初期費用安いから、そもそもわりあいにくい。そのへんは個人にとっては有利
今からVtuberを目指すのは厳しいか?
最近、大手Vtuber事務所からの卒業が相次ぎ、個人が活躍するチャンスが来たのでは?と思うかもしれません。
しかし、残念ながらSNSがなくならない限り、この状況は変わらないでしょう。
コロナ禍で人々が家にいる時間が長かった2020年頃は、Vtuber業界にとって追い風でした。
しかし、現在は増加ペースが落ち着き、マーケティング上、すでに成熟期に入っています。



もうね、リスナーの数で挑むのは無理だと思って良いかも奪い合い。
これからVtuberを目指すあなたに伝えたいのは、「コストをかけるぐらいなら、かけないもので勝負しろ」ということです。
特に、奨学金で借金を抱えているような人は、絶対にVtuber活動に高額な投資をすべきではありません。



奨学金は第二種だと最大利息3%ぐらいだったよね?
あれは聞いた話だと配当金ぐらいあると言われる
しかし、希望がないわけではありません。
メタバースの普及が、この状況を一変させる可能性があります。
あと5年ほどでメタバースがより身近な存在になれば、既存のプラットフォームに縛られない、新しい形のVtuberやクリエイターが生まれるかもしれません。
その時こそ、個人が輝ける真のチャンスが訪れるのではないでしょうか。